第17章
声を掛けた瞬間。
その目が暗い室内でも分かる程、見開かれた。
「…ぐっ、う!」
開いた口が言葉を放つかと思えば噛み締める様に閉じ、代わりに持っていたナイフが投げられる。
自分に狙いを定める、というよりはまるで自棄になった様な無茶苦茶な投げ方に対応出来ず、頬を掠めてしまう。
それでも意に介さず、視線を向けたまま蹴りでは無く言葉を掛け続ける。
「頭回るお前なら分かんだろ、今の状況も…お前に起こる今後の事も。」
確かにノイの言う様に、周りの戦況を見ると明らかに海賊達の方が押していて、頭は船長とやり合い、後のメンバーは各々他の仲間の行動不能・捕獲へと進めていた。
明らかに不利、それなのに声を掛けられた昔の部下…ヨウは別のナイフを構えるが、持っているその手は揺れている。
「今なら間に合う。」
「アンタが…それを言うんじゃない!!」
悲鳴の様な絶叫の後、そのまま前のめりに腹を目掛けて刺しに来た。
ノイは、動かない。
そして二人の体が交差する。
その目が暗い室内でも分かる程、見開かれた。
「…ぐっ、う!」
開いた口が言葉を放つかと思えば噛み締める様に閉じ、代わりに持っていたナイフが投げられる。
自分に狙いを定める、というよりはまるで自棄になった様な無茶苦茶な投げ方に対応出来ず、頬を掠めてしまう。
それでも意に介さず、視線を向けたまま蹴りでは無く言葉を掛け続ける。
「頭回るお前なら分かんだろ、今の状況も…お前に起こる今後の事も。」
確かにノイの言う様に、周りの戦況を見ると明らかに海賊達の方が押していて、頭は船長とやり合い、後のメンバーは各々他の仲間の行動不能・捕獲へと進めていた。
明らかに不利、それなのに声を掛けられた昔の部下…ヨウは別のナイフを構えるが、持っているその手は揺れている。
「今なら間に合う。」
「アンタが…それを言うんじゃない!!」
悲鳴の様な絶叫の後、そのまま前のめりに腹を目掛けて刺しに来た。
ノイは、動かない。
そして二人の体が交差する。
