第17章

事前に情報収集し、ガーナの血で変化した植物の種を島中に撒き、育ちそれが音を届けてくれアジトや会合の事を知り、船に残るガーナ以外の海賊達はここへ乗り込んだ。
マツリの力で体を見えなくさせ建物に潜り込み、トカゲ全員が建物へ入った所を見計らい、あえて船長だけ姿を出し集中させ、その間ピッキングが得意なサナとメソドへ出入口を封鎖、船長が何かしら相手からの犯行を受けた時点で海賊達は襲い掛ける様打ち合わせがされている。
少人数とはいえ日頃戦闘に慣れている人間と、盗みに長けていても攻撃する事には慣れていない人間がほとんどの集団では、時間の問題だった。
「もう終いか?」
目の前にいた男に睨み付けるノイに「ひっ…」と小さな悲鳴が聞こえた後、問答無用で蹴りかかる。

しかし、その間に割って入る者がいた。

「…!」
何となくそんな予感はしていた、しかし実際に目にするとやはり感情は動いてしまう。
「―自分が受けます、他行って下さい。」
自分の足を受け止めたその男は、無言でその場にいた人物であり。

その顔、その声、その姿…どれもが昔の記憶にいた人物だった。
15/19ページ
スキ