第17章

3組に分かれて調査した結果ある程度の情報が集まり、日が傾いてきた頃船にメンバーが全員帰ってきた。
「はぁ~い、全員揃った所で持ち寄った情報聞いていこうか。」
用意されたご飯を食べつつ、会議をしようとまずは自分達からと船長とガーナが話始める。
「トカゲがこの島に来たのは最近で、他にも不良グループがあったものの、他を潰すか、或いは統合する形で勢力を拡大していったらしい。」
「ひとりでウロウロしていた人も、かんゆーされた事があってにげたよって話してくれたよ。」
自分達に及ぶ危険も考え、聞いた場所は人通りの多い場所で聞いてきて、それにしても詳しく知っている人が多かったと話す2人にマツリも頷く。
「あたし達が聞いてきた場所も同じ意見が多かったですね。」
「…そっちから離れた場所で聞き込んではいたが、おおよそ同じ内容だな。」
それと、と少女が言葉を繋ぐ。
「犯行手段は基本的に同じだそうです、スリや夜間の強盗、因縁を付けて脅して金品を奪うなど…所々トカゲを名乗っているだけで、本当に所属しているのか怪しい人物もいるとか。」
「たまにいるわよね、名前名乗っているだけの偽物が。」
これだけ名前も売れていると偽物も湧いて来るから、とサナが続ける。
「地元の警官も困っていて嗅ぎまわっているけれどなかなか尻尾が掴めず、島民達には自衛をお願いするしか出来なくて不満を向けられる一方なんですって。」
女の子達からも不満の声が聞けたわ~とくたびれた様子のサナは、ある程度食べ終えてデザートへと手を伸ばし「ん~果物の甘酸っぱさが染み渡る~♡」と顔を綻ばせた。
「…被害はそこそこ、捕まえる事が出来たならお手柄だな。」
ちらりとメソドが昨日配られたチラシを見ると、確かにその額は高く、余程困っている様子が窺える。
「―よし、だいたいは掴めた。」
聞き込みのついでに島のあちこちに種も仕込んできたしな、とにやりと笑う船長の目は既に仕事を終えた明日を見据えている様だった。
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