第17章

「う~ん、この辺りは最近安全って聞いたんだがなぁ。」
早々に帰ってきた仲間達を見ながら、船長は呟く。
「平和が続く方がこの時世珍しいですよ、仕方ありません。」
「それはそうなんだけど~。」
何か引っかかると複雑な表情を見せる彼に、メソドはとりあえず自分が見てきた事を伝える。
「昼間あった発砲騒ぎは特に怪我人も出なかった様子です…あるとすれば、不良集団の内輪もめみたいな感じかと。」
「確かに、この島裏路地に入るとそんな輩が多かったわね~。」
メソドと共に行動していたサナもあるとすればそれだろうと同意するので、隣で聞いていたマツリは目を瞬かせた。
「そんなにガラの悪い人達がいたんですか?」
「あら、マツリちゃん達は見なかったの?」
はい、と彼女は頷き、続きの言葉をガーナが代わって伝える。
「こっちはほとんど見なかった!」
「やっぱり人通り多い場所だと違うのかしらねぇ…ノイちゃんはどう思う?」
同じ道を辿ってきたから同意見だと思いつつ、念の為調理場で夕飯の準備をしている彼に聞いてみるが。
「……………。」
返事は無く、ただ黙々と野菜を切っている。
「集中しちゃっているんですかね?」
「いつものコトだよ。」
放っておこうと他の仲間で話し合う中、サナだけはその視線を彼に向けていた。
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