第16章
こうしてメソド酔っ払い騒動は幕を閉じ、あれからどうにか大勢の人間から逃げて来たサナとノイ、そして動けなくなっていたマツリも回復して夕飯時には全員船に戻る事が出来た。
とりあえず兎にも角にも飯だとばかりに出された料理を疲れ切った海賊面々は無言で食べている。
しかし、今回一番いい思いをした人物の姿はそこにはいない。
「―ガーナちゃん、メソドさんって。」
「寝ているよ。」
気になって聞いてみたが、やっぱりな答えにマツリは苦笑する。
「そっか…。」
「あれだけあばれたんだもん、下手したらあしたまで起きないかも。」
そこで、はぁ…と重い溜息を吐きながら沈痛な表情の美形が呟く。
「…もう今日は流石に顔見たくないわね、頭の血管が切れる気がするから。」
その言葉にはまだ怒りが収まっていない様子がありありと見えて、マツリとガーナは口をきゅっと結ぶ、しかし。
「まぁ俺は道中酒の味見出来て良かったがな、適度に暴れられたし。」
「こっちは貴方の起こした喧嘩に巻き込まれて散々なのよ!」
空気の読まない男が出て来たので、怒りの矛先が変わる。
とりあえず他三人はもう黙って食事を済まそうか…と考えていると、ギィ…と扉が開く。
「…飯。」
何事も無かったかのように現れ、そのままいつもの自分の定位置に着く彼に周りは無言になる。
「おう、今出すから待ってろ。」
「違うでしょうが。」
顔を見たくないと言っていた相手が現れるが、サナはどうにか平静を装いメソドに話し掛けた。
「メソドちゃん…今回はどこまで憶えているの?」
「最初酒ぶっかけられた時まで。」
すぱんと返ってきた答え、そして周りはしん…と静まる。
マツリはつい気が緩み「へ…?」と声が漏れ出てしまう。
「あ~女子達は知らんわな、メソドきゅん一度酔うと全部記憶失うのよ。」
いっぱい酒かっくらうのもアレだけど、覚えていないのも酷い話だよな~!と船長は笑う。
「な…憶えてないって、そんなのってないでしょ!?」
「あ…あれだけ色々していたのに…?」
怒りだすガーナと愕然とするマツリ、その両者と同じ様な感情を抱きながら、サナは体を震わせ告げる。
「今回は不慮の事故から始まったものだし、一部は確かに仕方ないと思うの…でも、わたし達全員に迷惑を掛けたから…。」
すぅ、と一息整えそして。
「暫く酒抜き!!」
船の外にも漏れ出そうな大声がそこに響いた。
とりあえず兎にも角にも飯だとばかりに出された料理を疲れ切った海賊面々は無言で食べている。
しかし、今回一番いい思いをした人物の姿はそこにはいない。
「―ガーナちゃん、メソドさんって。」
「寝ているよ。」
気になって聞いてみたが、やっぱりな答えにマツリは苦笑する。
「そっか…。」
「あれだけあばれたんだもん、下手したらあしたまで起きないかも。」
そこで、はぁ…と重い溜息を吐きながら沈痛な表情の美形が呟く。
「…もう今日は流石に顔見たくないわね、頭の血管が切れる気がするから。」
その言葉にはまだ怒りが収まっていない様子がありありと見えて、マツリとガーナは口をきゅっと結ぶ、しかし。
「まぁ俺は道中酒の味見出来て良かったがな、適度に暴れられたし。」
「こっちは貴方の起こした喧嘩に巻き込まれて散々なのよ!」
空気の読まない男が出て来たので、怒りの矛先が変わる。
とりあえず他三人はもう黙って食事を済まそうか…と考えていると、ギィ…と扉が開く。
「…飯。」
何事も無かったかのように現れ、そのままいつもの自分の定位置に着く彼に周りは無言になる。
「おう、今出すから待ってろ。」
「違うでしょうが。」
顔を見たくないと言っていた相手が現れるが、サナはどうにか平静を装いメソドに話し掛けた。
「メソドちゃん…今回はどこまで憶えているの?」
「最初酒ぶっかけられた時まで。」
すぱんと返ってきた答え、そして周りはしん…と静まる。
マツリはつい気が緩み「へ…?」と声が漏れ出てしまう。
「あ~女子達は知らんわな、メソドきゅん一度酔うと全部記憶失うのよ。」
いっぱい酒かっくらうのもアレだけど、覚えていないのも酷い話だよな~!と船長は笑う。
「な…憶えてないって、そんなのってないでしょ!?」
「あ…あれだけ色々していたのに…?」
怒りだすガーナと愕然とするマツリ、その両者と同じ様な感情を抱きながら、サナは体を震わせ告げる。
「今回は不慮の事故から始まったものだし、一部は確かに仕方ないと思うの…でも、わたし達全員に迷惑を掛けたから…。」
すぅ、と一息整えそして。
「暫く酒抜き!!」
船の外にも漏れ出そうな大声がそこに響いた。
