第16章
頭からつうと流れるその雫がもう既に周りと同じく朱に染まった頬を伝い、そして口へ行き着く。
「う~めっ…この時期に来れて良かったぁ…。」
さて次の会場は…と目を動かすとその視界に明らかに見覚えのある人間がちらりと見えて酔っ払いは顔を顰めた。
「あ~ガキ共が使えなくなったからアイツら来たのか…。」
しかしだからと言ってやすやすと捕獲されるつもりは無く、メソドは次の新酒を飲む為対抗策を考え始める。
「や~んイケメ~ン♡おもちかえりしてぇ~♡」
「はいはい、こちら別件で用事があるのでまたの機会に。」
ノイから離れた途端に酔っ払い理性を失った女子達が群がるので、サナは笑顔を貼り付けながらも内心苛立っていた。
(あ~も~だから酔っ払いって嫌いなのよ、この状態での女装でも引っ付いてくるし…もうちょっとノイちゃんと一緒の方が)
そこまで来てはたと気付く、何故かいつの間にか自分の周りに女子しかいない事に。
偶然にしても他に男が居ても良い物を、とそれまでにこやかにしていた顔を瞬時に落とし近くで足にへばりついていた女性に「あの。」声を掛ける。
「あ~やっと話し掛けてくれた~うれし~♡」
「もしかして誰かに買われてませんか?」
その表情は先程優しく払っていたものとは違い、明らかに冷たさを顔でも言葉でも放つ。
聞かれた女性は一度目を丸くした後、にやりとまさしくまだ酔っていますとばかりに蕩けさせる。
「あ~そういう顔も出来るんだ~いいね。」
「誤魔化さないで下さい。」
う~ん、そうねぇ…とこちらを煽るかの様なゆっくりとした話し方に、サナはもう黒だと判別にやや乱暴にしがみつかれていた手を払う。
「あん、待ってよ…まだ終わってないし、それに。」
一歩踏み出そうとしたその時、ただの酔っ払いの集団だった女性の群れがこちらをギラリと見る。
「頼まれた時聞いたんだよね~おにーさん、イロイロじょーずなんでしょ?」
まさしく肉食動物に囲まれている気分だった。
普段なら女でも容赦なくナイフでもなんでも持ち出すところだが、酔っているだけの丸腰の相手に武器を出すのも、通報されるリスクを考えれば不可能。
女子達の魔の手を躱しながら、もしかしてとノイがいるであろう方向を見ると、あちらはあちらで男に囲まれてしまっていた。
元より強面であるノイは、メソドがわざと報奨金を出し悪党であると嘘を流せば真っ先に狙われてしまうとその様を見て容易に想像出来る。
(酔っているからっておいたが過ぎるわよ!)
しかも向こうは襲い掛かられそのまま蹴り技もお見舞いしている為、このままでは酔っ払いの乱闘騒ぎとして嗅ぎつけられてしまう。
「完全にしてやられた…!」
酔っているとは言え、メソドはメソド…そこそこ頭が回る事を考慮していなかった悔しさを感じながら、サナはどうにかノイと合流する為女子という獣をいなしながら足を速める。
二人の様子を既に人混み離れた場所からメソドは窺っていた。
「ばーか、ばーか…っと、これでつぎのかいじょうにいけるな。」
ばっはは~いと届かない勝利宣言を呟き彼は次の酒を求めに移動する。
「う~めっ…この時期に来れて良かったぁ…。」
さて次の会場は…と目を動かすとその視界に明らかに見覚えのある人間がちらりと見えて酔っ払いは顔を顰めた。
「あ~ガキ共が使えなくなったからアイツら来たのか…。」
しかしだからと言ってやすやすと捕獲されるつもりは無く、メソドは次の新酒を飲む為対抗策を考え始める。
「や~んイケメ~ン♡おもちかえりしてぇ~♡」
「はいはい、こちら別件で用事があるのでまたの機会に。」
ノイから離れた途端に酔っ払い理性を失った女子達が群がるので、サナは笑顔を貼り付けながらも内心苛立っていた。
(あ~も~だから酔っ払いって嫌いなのよ、この状態での女装でも引っ付いてくるし…もうちょっとノイちゃんと一緒の方が)
そこまで来てはたと気付く、何故かいつの間にか自分の周りに女子しかいない事に。
偶然にしても他に男が居ても良い物を、とそれまでにこやかにしていた顔を瞬時に落とし近くで足にへばりついていた女性に「あの。」声を掛ける。
「あ~やっと話し掛けてくれた~うれし~♡」
「もしかして誰かに買われてませんか?」
その表情は先程優しく払っていたものとは違い、明らかに冷たさを顔でも言葉でも放つ。
聞かれた女性は一度目を丸くした後、にやりとまさしくまだ酔っていますとばかりに蕩けさせる。
「あ~そういう顔も出来るんだ~いいね。」
「誤魔化さないで下さい。」
う~ん、そうねぇ…とこちらを煽るかの様なゆっくりとした話し方に、サナはもう黒だと判別にやや乱暴にしがみつかれていた手を払う。
「あん、待ってよ…まだ終わってないし、それに。」
一歩踏み出そうとしたその時、ただの酔っ払いの集団だった女性の群れがこちらをギラリと見る。
「頼まれた時聞いたんだよね~おにーさん、イロイロじょーずなんでしょ?」
まさしく肉食動物に囲まれている気分だった。
普段なら女でも容赦なくナイフでもなんでも持ち出すところだが、酔っているだけの丸腰の相手に武器を出すのも、通報されるリスクを考えれば不可能。
女子達の魔の手を躱しながら、もしかしてとノイがいるであろう方向を見ると、あちらはあちらで男に囲まれてしまっていた。
元より強面であるノイは、メソドがわざと報奨金を出し悪党であると嘘を流せば真っ先に狙われてしまうとその様を見て容易に想像出来る。
(酔っているからっておいたが過ぎるわよ!)
しかも向こうは襲い掛かられそのまま蹴り技もお見舞いしている為、このままでは酔っ払いの乱闘騒ぎとして嗅ぎつけられてしまう。
「完全にしてやられた…!」
酔っているとは言え、メソドはメソド…そこそこ頭が回る事を考慮していなかった悔しさを感じながら、サナはどうにかノイと合流する為女子という獣をいなしながら足を速める。
二人の様子を既に人混み離れた場所からメソドは窺っていた。
「ばーか、ばーか…っと、これでつぎのかいじょうにいけるな。」
ばっはは~いと届かない勝利宣言を呟き彼は次の酒を求めに移動する。
