第16章
酒の雨が降り注ぎ、その下で待ってましたとばかりに口を開け新酒を飲もうとする呑兵衛達を掻き分けながら二人は進む。
しかし、二人はすぐに進むものの飲む訳では無いので、上から降り注ぐそれが目に染みて痛覚と視界のぼやけが出て来る。
「おい、俺を盾にするなよ。」
「しょうがないでしょ、ノイちゃん大きいしわたし酔いやすいし。」
どうにかしてあのワカメ頭を見つけようと躍起になっているが、あまりの人だかりで見つからない。
もう離れてはいるが、マツリから遠隔でもメソドを見つけ貰おうかと話し合おうとしたその時。
「―アレじゃねーか?」
ノイが指差す方向にサナも目をやると、やたらと足早に移動している人物がいる。
「アレ、絶対アレ!あのやたらすばしっこい低姿勢の走りしてる男なんてそうそういないもの!!」
サナが言う様にメソドの戦闘スタイルはその低身長を使っての死角を狙うスタイルで、音も無く懐に飛び込みいつの間にか針やナイフをお見舞いするタチの悪い戦い方だった。
ソレは私生活にも影響され、猫背の姿勢が常になるほど彼の体に染みついている。
「挟み撃ちにするわよ、わたし反対側に行くから!」
「…見失わねえようにな。」
この人だかり、武器も使えない、動きも取れない環境で海賊一の速さを持つ男と対峙するのか。
難しい、そう分かっていてもいつもなら模擬戦さえまともに相手をしてくれない男とやりあえるかもしれない事に、ノイはひっそりにやりと笑った。
しかし、二人はすぐに進むものの飲む訳では無いので、上から降り注ぐそれが目に染みて痛覚と視界のぼやけが出て来る。
「おい、俺を盾にするなよ。」
「しょうがないでしょ、ノイちゃん大きいしわたし酔いやすいし。」
どうにかしてあのワカメ頭を見つけようと躍起になっているが、あまりの人だかりで見つからない。
もう離れてはいるが、マツリから遠隔でもメソドを見つけ貰おうかと話し合おうとしたその時。
「―アレじゃねーか?」
ノイが指差す方向にサナも目をやると、やたらと足早に移動している人物がいる。
「アレ、絶対アレ!あのやたらすばしっこい低姿勢の走りしてる男なんてそうそういないもの!!」
サナが言う様にメソドの戦闘スタイルはその低身長を使っての死角を狙うスタイルで、音も無く懐に飛び込みいつの間にか針やナイフをお見舞いするタチの悪い戦い方だった。
ソレは私生活にも影響され、猫背の姿勢が常になるほど彼の体に染みついている。
「挟み撃ちにするわよ、わたし反対側に行くから!」
「…見失わねえようにな。」
この人だかり、武器も使えない、動きも取れない環境で海賊一の速さを持つ男と対峙するのか。
難しい、そう分かっていてもいつもなら模擬戦さえまともに相手をしてくれない男とやりあえるかもしれない事に、ノイはひっそりにやりと笑った。
