第16章

またすり抜けられてしまう、そう思った直後メソドがつるっとその場でこけた。
「…?あ!」
流石にタイミングが良過ぎると思っていると、後ろから声が掛かる。
「マツリ、今のうちに!」
よく見るとメソドの足元に伸びた植物があり、ガーナの力で操られた植物が足枷になってくれていた。
ガーナの助けもあり、すぐに弾かれた様に動いたマツリは手元にあったタネネットをメソドに向けて投げてみる。
「ごめんなさい、メソドさん!」
投げられたタネネットは空中で広がりメソドを包み込もうとする…しかし。

「下手に情け掛けんな。」

その声がした時にはメソドの姿がそこから無くなる。
「え、うそ…どこに!?」
「マツリ!」
ガーナの叫び虚しく、マツリの視界に入らない様前傾姿勢で飛び込んできたメソドに体当たりされた。
「…ッ!?」
「目がよく見えるからってあてにしてると痛い目みんぞ…ヒック。」
すぐにガーナが手元の植物の力を使おうとするが、隠し持っていた短刀で植物を切られる。
「お前もお前だ、力頼り一辺倒だと理解されたら終わりだ。」
酒で酔っ払い体の重心はふらふらしている癖に、言う事はいつものメソドのままなので聞いている女子達からしてみればとても奇妙な気分だった。
虚を突かれてしまったものの、まだ手元にタネネットは残っている、なので今の内にと次の物を出そうとするが。
「あれ…うそ。」
「ないの?…あれ、ガーナのも!?」
彼女達が慌てるのも無理は無い、何故なら。

「探しているのはコレか?」

声と共にソレが女子達の頭上に降り注がれた。
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