第16章
がやがやと人が集まりつつある広場、今ならまだ通れる様子でマツリ達はお互い離れない様固まりながら人を分けて進む。
すると、人よりも耳が良いガーナが声をあげた。
「マツリ、あっち!」
ガーナの指差した方、声は拾えても姿が見えないのでそこは彼女がフォローする。
「―いた!」
マツリが持つ人並外れたその視力、その視界に映る数々の人の群れの先に店先で酔っ払い寝ている彼が居た。
これでやっとどうにかなる…ガーナにサナ達へ連絡を飛ばして貰い、マツリはメソドに話し掛ける。
「メソドさん、メソドさん!」
しかし、彼は余程知らない所で飲みまくったのか、ぐーすかといびきをかいて寝こけていて、こんなに隙を見せる彼は珍しく、思わずマツリはじっと観察してしまう。
(基本的にメソドさんって何かしら仕事ばかりしている姿しか見ていない気がするから、お酒好きなのもあるけど日頃のストレスからこうなっているんじゃ…?)
うーんと唸っていると後ろからガーナが話し掛けてきた。
「マツリ、サナに連絡出来たよ…その場から動かない様に拘束しておいてって。」
「え…それは流石に」
申し訳ないのでは、そう続けようとした彼女の言葉を遮る様につんざく様な声がその場に響く。
「さぁ~~~て、野郎共!今年も新酒が出来た事を祝して…酒雨の時間ッだ~~~~~!!」
斜め後方から聞こえたその音、それに呼応する様に起きてしまう。
「―さけ。」
座って寝ていた姿勢だったのに、瞬時にそこからいなくなり、ガーナに手渡されたタネネットを準備する隙も無くなる。
「ちょ、メソドさん!」
呼び止める声も虚しく、ふらふらとしかし確実に早く進むその先は、酒の匂いが濃い会場だった。
すると、人よりも耳が良いガーナが声をあげた。
「マツリ、あっち!」
ガーナの指差した方、声は拾えても姿が見えないのでそこは彼女がフォローする。
「―いた!」
マツリが持つ人並外れたその視力、その視界に映る数々の人の群れの先に店先で酔っ払い寝ている彼が居た。
これでやっとどうにかなる…ガーナにサナ達へ連絡を飛ばして貰い、マツリはメソドに話し掛ける。
「メソドさん、メソドさん!」
しかし、彼は余程知らない所で飲みまくったのか、ぐーすかといびきをかいて寝こけていて、こんなに隙を見せる彼は珍しく、思わずマツリはじっと観察してしまう。
(基本的にメソドさんって何かしら仕事ばかりしている姿しか見ていない気がするから、お酒好きなのもあるけど日頃のストレスからこうなっているんじゃ…?)
うーんと唸っていると後ろからガーナが話し掛けてきた。
「マツリ、サナに連絡出来たよ…その場から動かない様に拘束しておいてって。」
「え…それは流石に」
申し訳ないのでは、そう続けようとした彼女の言葉を遮る様につんざく様な声がその場に響く。
「さぁ~~~て、野郎共!今年も新酒が出来た事を祝して…酒雨の時間ッだ~~~~~!!」
斜め後方から聞こえたその音、それに呼応する様に起きてしまう。
「―さけ。」
座って寝ていた姿勢だったのに、瞬時にそこからいなくなり、ガーナに手渡されたタネネットを準備する隙も無くなる。
「ちょ、メソドさん!」
呼び止める声も虚しく、ふらふらとしかし確実に早く進むその先は、酒の匂いが濃い会場だった。
