第16章

お互いの連絡手段であるリンリン草を準備し、サナとノイ、そしてマツリとガーナそれぞれペアで動く事となった。
船長は船盗難防止の為、海賊船にて留守番している。
「各自見つけ次第すぐに連絡を下さい、出来る限りすぐに合流します。」
ガーナちゃん、とサナが名前を呼ぶと「うん。」と素直に彼女はサナに自分が持っていた物を渡す。
「目標見つけたらこれを投げつけて下さい、これをぶつけると広がり蜘蛛の巣の様になって相手を拘束する事が出来ます。」
「ガーナとくせーのタネネットだよ!数はかぎられているから、しんちょーに使ってね!」
えへんと胸を張るガーナに小さくマツリは拍手を送る。
「まぁでも投げるのが苦手な人は無理して使わなくてもいいですよ…貴方とか。」
じろりと見られその視線を受けながらも「体でどうにかする。」と答えるノイ。
「えっと…メソドさんが向かいそうな所の当てってやっぱり…酒場でしょうか?」
いんや、とノイが手元にあった物をズボンのポッケから出す。
「元々この酒を買ってこいって言われていたからな、ここら辺の酒が売っている所に居る可能性が高い。」
ノイが出してくれた買い物リストにはずらりと酒の名前が書いてあり、十以上あるその数に少女達は目を点にする。
「…おおくない?」
「本当に楽しみにされていたのですね。」
そのメモに対し、サナは冷えた視線を送っていた。
「………ノイ、貴方も共犯ですか?」
「全部買えとは言われてねーからな?」
あらぬ疑いを向けられ、すぐに否定の言葉を口にするが明らかにサナが許容する金額から逸れている様子でへぇと返される。
「…では、報告、連絡、相談を忘れずに、酔っ払い確保に行きますよ。」
そしてその場で解散、彼等はメソドを探し始めた。
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