第16章
あまりの速さと周りの人だかりで、酔っ払いの姿は瞬時に無くなってゆく。
「あ~もうだから禁酒して欲しかったのに…!」
酒がまだ纏っているその長髪をぐしゃぐしゃと乱す様子のサナに声を掛ける事が出来ず、マツリはこそっとガーナに聞いてみる。
「メソドさんって…酔いやすい人、なの?」
「そうらしいよ。」
ガーナも初めて見た~と話すガーナに次いで、ノイが話し掛けてきた。
「アイツ酒好きなんだけどよ、すぐ酔っちまって船の中でも面倒見てくれる奴がいない限り基本禁酒を言い渡されているから、今回内心凄く楽しみにしてたみてーだな。」
飲むにしても夜しか飲まねーから、ガーナも見た事無かったんだろ、と補足して話す。
「や~久し振りに見たな~、財布もしっかり持ってたみて~だし…どーするよ、金庫番。」
優男らしいいつもの表情が消滅し、まさしく鬼の形相となったサナに近くにいる海賊だけでなく、その周囲の関係の無い人々もぎょっとする。
「マツリちゃん、ガーナちゃん、船での言葉は撤回します…貴方達も降りて下さい。」
声が地を這う様なものとなっている、怒られた訳でも無いのに、呼ばれた少女らはお互いの手を取り合い「「は、はい…。」」と恐々と返事をした。
「船長、しょうがないからポンコツな貴方が船に残っていて下さい。」
はーい、と明らかに怒りをぶつけられているが、ここは触れたら危険とスルーし素直に船長は応える。
「ノイ、買い物は後で、先に奴を見つけます。」
逆らったらやられるのは自分だと、複雑な顔をしながらも無言で強面は頷く。
「―総員、見つけ次第奴を捕獲、拘束して下さい。」
ギリ、とその白い歯を鳴らして低く美形は海賊達に指示した。
「あ~もうだから禁酒して欲しかったのに…!」
酒がまだ纏っているその長髪をぐしゃぐしゃと乱す様子のサナに声を掛ける事が出来ず、マツリはこそっとガーナに聞いてみる。
「メソドさんって…酔いやすい人、なの?」
「そうらしいよ。」
ガーナも初めて見た~と話すガーナに次いで、ノイが話し掛けてきた。
「アイツ酒好きなんだけどよ、すぐ酔っちまって船の中でも面倒見てくれる奴がいない限り基本禁酒を言い渡されているから、今回内心凄く楽しみにしてたみてーだな。」
飲むにしても夜しか飲まねーから、ガーナも見た事無かったんだろ、と補足して話す。
「や~久し振りに見たな~、財布もしっかり持ってたみて~だし…どーするよ、金庫番。」
優男らしいいつもの表情が消滅し、まさしく鬼の形相となったサナに近くにいる海賊だけでなく、その周囲の関係の無い人々もぎょっとする。
「マツリちゃん、ガーナちゃん、船での言葉は撤回します…貴方達も降りて下さい。」
声が地を這う様なものとなっている、怒られた訳でも無いのに、呼ばれた少女らはお互いの手を取り合い「「は、はい…。」」と恐々と返事をした。
「船長、しょうがないからポンコツな貴方が船に残っていて下さい。」
はーい、と明らかに怒りをぶつけられているが、ここは触れたら危険とスルーし素直に船長は応える。
「ノイ、買い物は後で、先に奴を見つけます。」
逆らったらやられるのは自分だと、複雑な顔をしながらも無言で強面は頷く。
「―総員、見つけ次第奴を捕獲、拘束して下さい。」
ギリ、とその白い歯を鳴らして低く美形は海賊達に指示した。
