第15章

ちょっと男子~何泣かしてんのよ~とか船長に揶揄われながらどうにか子どもが落ち着くのを待つ間、サナやメソドは倒れた賊達の処遇を考え、とりあえず洗脳するか情報を吐かせて逃がすかとノイも加わり意識の無い彼等の腕や足を縛っている。
「今回は…人数が多くて手こずりましたね。」
普段なら船に侵入を許す事は無いので、一部とは言えこの人の山を見てサナは呟く。
「そこそこ強いのが多かった。」
「まぁ…わたしが出会ってしまったリーダーらしき人物も好戦的でしたし、そういう輩が集まった集団だったのでしょうね。」
下手に鐘や食料目当てじゃないだけ厄介だと、メソドが苦い顔を見せる。
「…逆にこれだけの被害で終わったのだから、良い方なのかもしれませんね。」
船の一部に砲撃で穴を開けられ、船員も複数軽傷を負った、しかし結果的には勝利をしたと言っても良い。
しかし、サナの胸中は晴れず顔が暗いまま。
「―あの子は、どうなるのでしょうか。」
何故あんな事が、あんな存在が現れたのか一切分からない。
それでも恐らく引き金は…あの子どもだった。
サナの言葉に「さぁ?」と相手は答える。
「それを決めるのは結局―オレ達じゃないからな。」
ちらりと、その目が子どもを慰めている船長を捕らえた。
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