第15章
あれだけの圧倒的な存在に対して現れて数秒で退治してしまうものだから、その場にいた全員が呆気に取られてしまう。
「お留守番ごくろーさま、皆いい子にしてた?」
ぱっと自分の仲間達を見つけると返り血を浴びた服や顔とは不相応なおちゃらけた表情を見せた彼に、無言でナイフと針をサナとメソドは投げつける。
「ちょちょちょい、そんなに寂しかったのぉ~?」
「うるさい、帰ってくるのが遅い。」
「一回反省して下さい、船長。」
あやや~などとふざけた事を言いながらも的確に武器を避けるので、二人は色々自棄になって船長に当たり散らかす。
三人が刺激的な追いかけっこをしている間、ノイは動かなくなった植物の隣にずっと座っている子どもの元へ移動する。
「おい、大丈夫か…」
その顔を覗き込んで見ると。
これまで、怒りや警戒そして少しの喜びといった顔しか見せなかった子どもが泣いていた。
「………。」
それまでこの表情を見た事が無かったノイはその様子に何と声を掛けるか分からなくなってしまうも、直感的にその頭を撫でる。
「頑張ったな。」
子どもが何を感じているのか、一切分からない。
それでも、今ここで子どもが泣いているのに何か意味があるのだろうと、勝手に考え勝手に労う。
言葉が通じたのかは分からない、ただ。
いつもなら体に触る事さえ嫌がるのに、子どもはノイの顔を真っ直ぐ見つめ声を上げてわんわん泣き出した。
「お留守番ごくろーさま、皆いい子にしてた?」
ぱっと自分の仲間達を見つけると返り血を浴びた服や顔とは不相応なおちゃらけた表情を見せた彼に、無言でナイフと針をサナとメソドは投げつける。
「ちょちょちょい、そんなに寂しかったのぉ~?」
「うるさい、帰ってくるのが遅い。」
「一回反省して下さい、船長。」
あやや~などとふざけた事を言いながらも的確に武器を避けるので、二人は色々自棄になって船長に当たり散らかす。
三人が刺激的な追いかけっこをしている間、ノイは動かなくなった植物の隣にずっと座っている子どもの元へ移動する。
「おい、大丈夫か…」
その顔を覗き込んで見ると。
これまで、怒りや警戒そして少しの喜びといった顔しか見せなかった子どもが泣いていた。
「………。」
それまでこの表情を見た事が無かったノイはその様子に何と声を掛けるか分からなくなってしまうも、直感的にその頭を撫でる。
「頑張ったな。」
子どもが何を感じているのか、一切分からない。
それでも、今ここで子どもが泣いているのに何か意味があるのだろうと、勝手に考え勝手に労う。
言葉が通じたのかは分からない、ただ。
いつもなら体に触る事さえ嫌がるのに、子どもはノイの顔を真っ直ぐ見つめ声を上げてわんわん泣き出した。
