第15章
周りが緊迫した空気に包まれている中、サナの視界は緑に染まる。
「は…?」
一瞬の事で、まさか痛覚の無いままに自分は死んだのかと疑うが、自分とは違う声がその可能性は潰された。
「おい、何だこりゃあ…テメェら何しやがった!?」
声は聞こえるものの、その姿は見えずサナは自分の視界を覆う緑の正体を探る為、目を凝らすと自分の頬や腕、足に絡まる感触でそれは海の生活が長いせいで久しく触れていなかった存在だと知る。
「これは…植物!?」
どこから生えてきたのか一切不明な植物の蔓や茎がサナと子どもを包んでいた。
隙間から見てみると、自分達と同じ様に男も植物に捕まっている様子で、じたばたと暴れている。
「クッソ…出しやがれ!」
持っていた短刀で植物を切りつけそこから脱出をしようとするが、切れた所から新たな蔦が現れ更に塞がれ、他の場所も切るも同じ結果が繰り返されるだけ。
しかも、切れば切るだけその守りが強固になり、サナ達を囲う植物よりもその網目がぎっしりと詰まってゆきしまいには外から彼の姿が見る事が不可能になってしまう。
「このっ、こんな草なんかに…な、何だ…よ、止せ!やめろ!!う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
植物に包まれた男が何か叫んでいるが、そこで何が起きているのか全く分からない。
しかし、叫び声の後鼻がもげてしまう程の強烈な匂いがその場を包む。
「…ッ!?何が…起きているの!」
子どもに嗅がせてはいけない、すぐにそう感じ取ったサナは子どもの鼻をつまむが、その顔は痛みに耐えながらもどこか冷えたものである事をそこでやっと気付く。
「がう。」
その一言で、男がいた植物の繭はくしゃりと潰れた。
「は…?」
一瞬の事で、まさか痛覚の無いままに自分は死んだのかと疑うが、自分とは違う声がその可能性は潰された。
「おい、何だこりゃあ…テメェら何しやがった!?」
声は聞こえるものの、その姿は見えずサナは自分の視界を覆う緑の正体を探る為、目を凝らすと自分の頬や腕、足に絡まる感触でそれは海の生活が長いせいで久しく触れていなかった存在だと知る。
「これは…植物!?」
どこから生えてきたのか一切不明な植物の蔓や茎がサナと子どもを包んでいた。
隙間から見てみると、自分達と同じ様に男も植物に捕まっている様子で、じたばたと暴れている。
「クッソ…出しやがれ!」
持っていた短刀で植物を切りつけそこから脱出をしようとするが、切れた所から新たな蔦が現れ更に塞がれ、他の場所も切るも同じ結果が繰り返されるだけ。
しかも、切れば切るだけその守りが強固になり、サナ達を囲う植物よりもその網目がぎっしりと詰まってゆきしまいには外から彼の姿が見る事が不可能になってしまう。
「このっ、こんな草なんかに…な、何だ…よ、止せ!やめろ!!う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
植物に包まれた男が何か叫んでいるが、そこで何が起きているのか全く分からない。
しかし、叫び声の後鼻がもげてしまう程の強烈な匂いがその場を包む。
「…ッ!?何が…起きているの!」
子どもに嗅がせてはいけない、すぐにそう感じ取ったサナは子どもの鼻をつまむが、その顔は痛みに耐えながらもどこか冷えたものである事をそこでやっと気付く。
「がう。」
その一言で、男がいた植物の繭はくしゃりと潰れた。
