第15章

複数人を相手に一人サナは戦う事になり、向かってくる攻撃をナイフで払ってどうにか子どもが逃げた先へと行かせない様扉の前に立つ。
(数分なら持つ自信はありますが、流石に応援が来ないとなるとキツイですね…!)
元々サナは非戦闘員だったが、ノイとの出来事をきっかけにメソドに教えて貰いどうにか戦える様にはなってきた。
戦いの経験も未経験ではなく、ナイフを中心に時折砲撃手としても戦いながら経験を積み、元から器用だった事もあり技術を上げてはきたものの、守る者がいる状態での戦闘は初めてで、内心焦っている。
(基本的にわたしより強い人がいる状態がほとんどでしたし…どうにか追い払って早くあの子と合流しなければ…!)
的確にナイフを海賊達に当て、牽制をするも彼等はサナが一人である事と、子どもが奥にいる事を知っているので諦めようとはしない。
大声で叫んで応援を呼ぶか?そう思った矢先。

ドゴン!!

と大きな音と共に船全体が揺れる。
「これは…砲撃!?」
どんな船から攻撃を受けているのか情報を貰っていなかったサナは、その一瞬でこれから起こりうる最悪な事態が頭に過った。
後ろから敵が来ない様に持っていた鉄びしを床に撒いてからサナはその場を後にし、すぐに子どもが逃げた奥の部屋へと向かってゆく。
(砲撃で穴が空いた箇所から賊が侵入して、宝や食料、薬を取られるならまだしも、あの子の命が…!)
いまだに止まない戦いの声が聞こえる中、サナは避難した子どもを探しに行った。
10/24ページ
スキ