第15章

「…子守りを任されるとはね。」
野郎たちの大きな声や、武器がぶつかり合う音が聞こえる中、食堂から場所を移しほぼたまり場として使っている士官室へサナと子どもは来ていた。
(ま、まだまだわたしも実力不足ですし…この役割の方が合っていますものね。)
頭では分かっているものの、戦力外通告された手前複雑そうな顔をしているサナに、やはり子どもは近付いてこない。
勝手にうろうろされるよりは良いかと、自分はいつ誰かが来ても対応出来る様に出入口付近へ移動する。
ドタドタと大きな音が聞こえたので、サナは顔をより険しくさせた。
(突破されたか…子どもを守りながら戦うのはやった事が無いな。)
一緒にいるか、子どもを守る為に外に行くか。
ちらりと視線を向けると、言葉も通じない子どもではあるが、その目は不安で揺れている。
「…もしもの時は、その時ね。」
サナはここに留まる事を決意した。

その瞬間、バキリッ!と何かが壊される音が二人に届く。

まずい、とそう思ったのと同時にサナは叫ぶ。
「逃げなさい、奥に!」
飛ぶ様な大声に押されて、子どもはすぐに逃げ道である奥の扉へ逃げてゆく。
そして、声を出した事でその代償が来る。
「ここにも人間がいるぞ、捕まえて脅しに使え!」
外にいる男三人では人質として使えないと踏んだのだろう、中にいるか弱いであろう人間を捕まえて自分達の要求を通そうとなだれ込む様に賊がやって来た。
「―全く、仕方ないですね!」
援軍も来ない、ならば出来る力で立ち向かうのみだとその手にナイフを握り。

美形は、むさ苦しい男達数人相手に立ち向かっていった。
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