第15章
船長の言葉を受けた海賊達は、各々違った表情を向けて来るが、それはどれも不可解だと言っている様で、船長はそのまま言葉を続ける。
「元々人間売買…奴隷は島ごとに法律で禁止されている場合や、許可が降りている場合がある…この島、本来は不可能なんだが、コイツは闇市場で動物として売られていたんだ。」
ふう、と一度息を吐き、そのまま子どもの近くまで出来る限り近付いて話す。
「ある者は猛獣、ある者は草食動物、他にも鱗を生やした生物にも見えたって…見た人間によって姿が変わる動物って言われた。」
しゃがみ、子どもに視線を合わせるも、ガタガタッとそれ以上進めないはずの隅に引っ込んでしまった様で、船長はすぐに下がり海賊達へ目線を移す。
「おもしれーだろ?」
にやにやと顔をいつもの様にふざけたものへと変化させるが、その言葉の返しは辛辣なものが多かった。
「随分と―壮大な詐欺に引っ掛かったんですね。」
「どう考えてもありえないかと。」
サナとメソドの冷ややかな言葉に船長は「え~。」と口を尖らせる。
「ちゃんとしっかり説明聞いてきたもん!店主さんの口振りだって嘘じゃ無かったし~。」
「気になるのであれば、せめて他のメンバーを呼んで下さい…それに、闇市で買った時点で、売っている場所も法外な…ろくな所じゃないんですから!」
「分かってないね~サナさん、ああいう所こそ、掘り出し物がいっぱいあって魅力的なのさ。」
「そう言って、これ良さそうと思って買った不思議な薬草がとんでもない依存性を持った薬物だったこと…ありましたよね?」
え~ん!とサナとメソドから挟み撃ちにされ、子どもの様な泣き真似をする船長に別の助け舟がやってきた。
「別に良いんじゃねーか。」
いつの間にか集まっていた場所から離れ、子どもの方へ行きまた別の食べ物を差し出していたノイが言う。
「買っちまったもんは捨てられねーし、どーせへんぴんふか?ってやつなんだろ?」
「うん、そう!」
話の流れが変わりそうなので船長はノイの言葉に頷き、今度は渋い顔を二人はノイに向けるが彼は止めの一言を告げた。
「そもそも、俺らだってほとんど船長に拾われた身だろ…頭の考えが気に入らねぇってんなら、自分がこの船を降りるべきだ。」
怒る訳でも無く、懇々と説得する訳でも無く、ただ当たり前の事を言ったと言う様なその言葉と全く変わりの無いその表情に、二人とも何も言えなくなってしまう。
「少なくとも、もう見ちまったし…見捨てるのも気分わりぃしな、腹膨れてこのガキが自分で船を出てゆくって言わねぇ限りは置いといてもいいんじゃねーか。」
もう食べ終わったのか、また新たな食べ物をノイは子どもに差し出していて、サナとメソドはお願いお願いと手を合わせている船長を一瞥し、白旗を上げた様に溜息を吐いた。
「元々人間売買…奴隷は島ごとに法律で禁止されている場合や、許可が降りている場合がある…この島、本来は不可能なんだが、コイツは闇市場で動物として売られていたんだ。」
ふう、と一度息を吐き、そのまま子どもの近くまで出来る限り近付いて話す。
「ある者は猛獣、ある者は草食動物、他にも鱗を生やした生物にも見えたって…見た人間によって姿が変わる動物って言われた。」
しゃがみ、子どもに視線を合わせるも、ガタガタッとそれ以上進めないはずの隅に引っ込んでしまった様で、船長はすぐに下がり海賊達へ目線を移す。
「おもしれーだろ?」
にやにやと顔をいつもの様にふざけたものへと変化させるが、その言葉の返しは辛辣なものが多かった。
「随分と―壮大な詐欺に引っ掛かったんですね。」
「どう考えてもありえないかと。」
サナとメソドの冷ややかな言葉に船長は「え~。」と口を尖らせる。
「ちゃんとしっかり説明聞いてきたもん!店主さんの口振りだって嘘じゃ無かったし~。」
「気になるのであれば、せめて他のメンバーを呼んで下さい…それに、闇市で買った時点で、売っている場所も法外な…ろくな所じゃないんですから!」
「分かってないね~サナさん、ああいう所こそ、掘り出し物がいっぱいあって魅力的なのさ。」
「そう言って、これ良さそうと思って買った不思議な薬草がとんでもない依存性を持った薬物だったこと…ありましたよね?」
え~ん!とサナとメソドから挟み撃ちにされ、子どもの様な泣き真似をする船長に別の助け舟がやってきた。
「別に良いんじゃねーか。」
いつの間にか集まっていた場所から離れ、子どもの方へ行きまた別の食べ物を差し出していたノイが言う。
「買っちまったもんは捨てられねーし、どーせへんぴんふか?ってやつなんだろ?」
「うん、そう!」
話の流れが変わりそうなので船長はノイの言葉に頷き、今度は渋い顔を二人はノイに向けるが彼は止めの一言を告げた。
「そもそも、俺らだってほとんど船長に拾われた身だろ…頭の考えが気に入らねぇってんなら、自分がこの船を降りるべきだ。」
怒る訳でも無く、懇々と説得する訳でも無く、ただ当たり前の事を言ったと言う様なその言葉と全く変わりの無いその表情に、二人とも何も言えなくなってしまう。
「少なくとも、もう見ちまったし…見捨てるのも気分わりぃしな、腹膨れてこのガキが自分で船を出てゆくって言わねぇ限りは置いといてもいいんじゃねーか。」
もう食べ終わったのか、また新たな食べ物をノイは子どもに差し出していて、サナとメソドはお願いお願いと手を合わせている船長を一瞥し、白旗を上げた様に溜息を吐いた。
