第1章(後編)


「目的の物は見つかったのか?」
無事に船長たちと合流し、海賊たちとマツリは島民たちが集まる集会所へ足を運んだ。
その道中にノイは船長に疑問を投げた。
「ああ、それを今島民の皆に書いてもらっている。」
「…本当に、それで解決するのですか?」
今までの苦労がこんな事で一瞬に無くなるのだろうかと、今更ながらマツリは不安になった。
「心配すんなよ、本物の警察に伝えて結果が分かるまでこの島にいてやる。」
「え~それっていつまでいるの~!」
「警察の対応次第だろ、見積もって3~5日?」
「う~ん、流石に長くない!?」
不服を言うガーナにマツリは申し訳なくなった。
「ご、ごめんね…?」
謝罪の言葉を述べたが、ガーナはマツリに気付くとメソドの後ろに隠れてしまった。
(…何か悪かったかな?)
昔の事を思い出し、やはり年下とはうまくいかないのかなとマツリは暗い気持ちになった。

「…お、マツリ帰ってきたか。」
島民たちが気付き、マツリはあっという間に囲まれてしまった。
「良かったわ~。」
「よう、メアンの奴をぶっ飛ばしてきたか?」
「お帰り。」
口々に言う島民たちの言葉に、マツリは返事が追い付かない。
「あ~、えっと、ひ、1人1人順番に…。」
そんなことを言おうとしたら、ある物が目についた。
「その…紙が例の?」
「ああ…。」
島民の1人がマツリの目の前に出してきた。

「意見書、というものらしい。」
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