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第14章

最初の異変は、船の上で起こった。
「ノイちゃん!?」
サナの驚く声が聞こえて、マツリはその場へ駆けつけると、植物のツタで拘束され眠っているノイが見つかった。
「ノイさん!?どうしてこんな事に…。」
とりあえず、この体を縛るツタをどうにかしないと、と二人はナイフを使いその拘束を解く。
「ん…ん?」
幸い眠らされていただけなのか、本人は何事も無いように目を開けた。
「ノイちゃん、大丈夫?」
ゆさゆさと強く体を揺さぶられ、一瞬彼は渋い顔をするも、すぐに思い出したとばかりに、立ち上がる。
「おいマツリ、ガーナは部屋にいたか?」
「え?…そういえば。」
マツリは起きた時から不思議を感じていた。
いつもなら、ガーナは自分より起きるのが遅く、マツリはよく朝食前に起こしていたのに、今日はベッドにその姿は無くどこの部屋に行ったのだろうかと思っていたのだ。
マツリのその考えを読み取ったように、ノイはすぐ様船の後方へと移動する。
それに慌てて続いたサナとマツリは、そこから見えた光景に唖然となった。
「あの野郎…。」
苦い顔をして呟いたノイ、その先には。
鬱蒼と生い茂った木が多くいる無人島、そしてその島の木と船を結ぶ頑丈なツタがそこにあった。
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