第13章

真正面から見つめられ続けるのは精神が減るばかりだと考えたサナは横掛けが出来るベッドまでノイを移動させる。
「極端に顔見るのは止めてください、また触りがあるといけないので。」
触りとは何だと言わんばかりに頭を傾げたが、今度は指示に従ったノイはサナの隣へ座った。
「…あの時に吐いた言葉通りなのですが。」
もう忘れてのか、と嘲笑交じりに話す。
既に繕うつもりも無く、身の内にある毒が言葉になる。
「やはりもう一度言わないと分かりませんか?」
「ああ。」
全くその通りだと皮肉さえ通じないようで秒で答えは返ってくる。
折角美味しかった食事は怒りで吐いてしまいそうだ。
「…じゃあ、最初から。」
ここまで来たら覚悟を決めてサナは話を始めた。

「―――――つまりお前は元々俺が嫌いだった、そういうことでいいのか?」

要約するとそんな感じだった。
最初の頃から今に至るまでの彼の不満な所を延々話し、更に途中彼が質問してくるから余計に長くなる。
(…今日夜の見張り番じゃなくて良かった。)
夕日がぎりぎり水平線まであったのに、今はとっぷり沈み代わりに月が輝き始めている。
サナはもうすっかり口が疲れていて、もう終われという気持ちが大半占めていた。
「まぁ、そういうことです。」
「そうか。」
いや、他に何も無いのかと思ってしまうがもうそれも口に出ない。
「…俺は、別に嫌いじゃないが。」
「どうでもいい。」
つい本音が出たが、もうここまで曝け出してしまった。
「そういえば、これが一番気にかかっていたんだが。」
これが最後だぞ…と半ば脅すような声で返事をする。
それまで真剣に会話をしようと思う姿勢は立派だと思うが、タイミングが悪すぎるとても。
(もう…早く終わらせよう。)

「何で男同士なのに、裸を見るのが嫌なんだ?」

彼の言葉を受けて、サナは封じていた過去の記憶を一気に呼び覚ましてしまう。
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