第12章

「あら…二人とも先にここに来ていたの。」
相変わらず優美な様子は変わりなく、そこに現れたのはサナだった。
「お~そうそう、で今から帰るトコ。」
「なるほど…じゃあちょうど良かったわ。」
サナはマツリに微笑むと、頼み事をする。
「マツリちゃん、申し訳ないけど…今日のお夕飯、皆の分作ってくれる?」
「え?」
調理自体は出来ない事は無いが、本来ならば別の人物がやる仕事だったので、マツリは疑問を口にしてしまう。
「構いませんけど…ノイさんは?」
問題無いと聞き、サナは安堵の息を吐いてから答えた。

「ノイちゃんもわたしも…今夜から3日間は要らないから♥」

どういう事か、それを聞こうと思ったのと同時に悲鳴が上がる。
「やぁ~ん数年ぶりじゃない、元気してた?」
「全く元気じゃない!」
「つれなぁ~い…でも、変わりなくて嬉しいわ♡」
「俺は嬉しくない!」
「んー、はぁ~…相変わらずお体キチンと鍛えているのねぇ凄いわ~。」
「さ、触るなぁ!」
どこから集まってきたのか、鎖で雁字搦めにされ動けないノイの周りに何だかファッショナブルな人物達が集まってきて、動けない事を良い事にあちこち触られ、ノイは苦悶の表情を浮かべているそこへサナが歩み寄った。
「んも~やっと船から出てきた~…皆待っていたんだからぁ。」
「俺は…ッ、嫌だって言ってんだろ!」
血管がブチ切れてしまうのではないかと思う程の怒りを顔に表しているが、サナがぴろりと目の前に出した紙を見てその表情が変わる。
「これ♡何だと思う?」
その目が紙の上の文字を追うと、徐々に顔が青ざめてゆく。
「い…や、こんなに使った覚えは」
「そうよね~貴方っていつも使った後にそう言うものね~。」
にこにこと表面上は笑っているが、その目は笑っていない。
ぴしゃりと、その紙が仕舞われ、これが止めと言う様に低い声がそこへ響いた。

「ノイお仕事の時間です、調理の為に使い過ぎたお金を補填する為、この方々達の元へ3日間モデルとして赴きなさい。」
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