第12章
「―どこまで本当かは分からねぇが、リリア島の固有動物、固有文化が構築され、そして今まで続いている…と、いう訳だ。」
船長の説明を聞き、開いている本で情報を補足しつつ、マツリは自分の中にあったリリア島の認識を新たにした。
(あたし…ここに来た時、建物が綺麗で、皆がオシャレでなんて素敵な島なんだろうって思っていたけれど。)
じわじわと下がる体温を感じていると、自分の思考を遮るように声が響く。
「でだ!ここからが本題。」
ずい、と持っていた本を取り上げられ代わりに現れたその顔はにやけているが、その目の奥にある真意は見えない。
「本当はガーナにも聞きたかったが…まぁ、ここには数日は留まるだろうからな。」
じい、とマツリを見て彼は問う。
「巨人、本当にいると思う?」
言われて気付いた、そういえば船長はそういう人物だった。
この世にある説明不可能なもの、事象を見つけ集め分析し尽くす、探求者。
「…本には、何て書いてあるんですか?」
そこまで読む前に取り上げられてしまったので、マツリは確認の為に一度聞く。
「それがね~本によって色々なんだよ、突然消えてしまっただとか、海に沈んでしまっただとか…でも、一番多いのは。」
船長は人差し指を上に向け、マツリに教えた。
「空に還った…って。」
その言葉を聞きマツリは眉間に皺を寄せたので、船長はすぐに疑問を口にする。
「その表情になったのはどうして?」
「…あたしの考えと違ったから。」
先程は質問に答えなくてすみません、と一度船長に謝ってからマツリは自分の見解を話した。
「あたしは…少なくとも、巨人は死んでいないと思います。」
船長の説明を聞き、開いている本で情報を補足しつつ、マツリは自分の中にあったリリア島の認識を新たにした。
(あたし…ここに来た時、建物が綺麗で、皆がオシャレでなんて素敵な島なんだろうって思っていたけれど。)
じわじわと下がる体温を感じていると、自分の思考を遮るように声が響く。
「でだ!ここからが本題。」
ずい、と持っていた本を取り上げられ代わりに現れたその顔はにやけているが、その目の奥にある真意は見えない。
「本当はガーナにも聞きたかったが…まぁ、ここには数日は留まるだろうからな。」
じい、とマツリを見て彼は問う。
「巨人、本当にいると思う?」
言われて気付いた、そういえば船長はそういう人物だった。
この世にある説明不可能なもの、事象を見つけ集め分析し尽くす、探求者。
「…本には、何て書いてあるんですか?」
そこまで読む前に取り上げられてしまったので、マツリは確認の為に一度聞く。
「それがね~本によって色々なんだよ、突然消えてしまっただとか、海に沈んでしまっただとか…でも、一番多いのは。」
船長は人差し指を上に向け、マツリに教えた。
「空に還った…って。」
その言葉を聞きマツリは眉間に皺を寄せたので、船長はすぐに疑問を口にする。
「その表情になったのはどうして?」
「…あたしの考えと違ったから。」
先程は質問に答えなくてすみません、と一度船長に謝ってからマツリは自分の見解を話した。
「あたしは…少なくとも、巨人は死んでいないと思います。」
