第12章

一方、アクセサリー作りに励んでいる彼女達はというと。
「わ~ふわふわちゃん、つくるのはやいね~。」
「ふ、ふわふわ…。」
コノンから付けられたあだ名に困惑する様子を見せるも、その手にはきっちりマツリが考えるガーナに似合うアクセサリーが収まっていた。
「このかたちははやくできるものだけど、ここまではやいなんて…。」
「あ…趣味で絵を描いているのですが、たまに造形も。」
「わ~つくりてのたまごさんだ~。」
旅人じゃなければスカウトしていたのに…と残念がる彼女の隣、渋い顔をした少女がちらりと見えマツリは緩めていた表情を引き締める。
「ガーナちゃん、大丈夫?」
「……………。」
投げられた言葉に返事は無く、代わりにコノンが答えた。
「あ~、ぴょんぴょんちゃんがえらんだのは、じかんかかるものだから…。」
選んでいる段階で、確かにコノンがガーナにそう助言していた事をマツリは思い出す。
それでも彼女は「これがいいの!」と一点張りで、頑として動かなかった為現在に至る。
(…どんな物を作ってくれるんだろう。)
つい覗き込んで見てみたくなったが、それは予想しない出来事で阻害された。
「ちわ~!」
軽い挨拶でやってきたのは、とても馴染みのある人物。
「すみません、いまあくせさりーづくりのおてつだいをしておりまして…」
「あ~だいじょーぶ、お店に用事じゃなくて…。」
「船長さん!」
思ってもみない人物の登場にマツリは目を丸くさせた。
「いたいた女子たち~。」
どうやら自分達を探していた様子で、船長はこちらに手を振る。
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