第12章

それから数日後、驚くべき速さでそれらは完成させた。
「かわいい~!」
「ひ、久し振りのワンピースです…!」
嬉々として作られた服に袖を通すガーナとマツリ。
ガーナには胸元に小さなリボンを付け、裾部分には大き目のプリーツが付いた褐色肌の彼女に映える白を基調としたワンピース。
マツリには、襟にビーズを縫い付け、ベルトを巻いた事で下のスカート部分のふんわりと膨らませたかのようなシルエットの薄桃のワンピース。
二人ともワンピースではあるが、各々の良さと好みを反映させた服となっていた。
「二人ともとっても良く似合っているわ!」
出来の良さに満足した様で、サナの表情はずっと緩みっぱなしになっている。
「それで、サナ。」
これには答えてもらうぞと意気込む様に、ガーナはじっと彼に問う。
「なんで他のみんなもきがえているの?」
マツリも気になっていた様子で、そっとサナから離れて後ろにいるリボンがついた長い丈のニットとショートパンツを履いた項垂れたメソドとうきうきで鏡にポーズを取っている大きな襟が特徴的なトップスとロングスカートを履いた船長を見やる。
「ガーナ達だけかとおもったににぃ…。」
「仕方ないのよ、これはやらなきゃいけなかった事だし。」
「仕方ない?」
不思議そうにマツリが繰り返すとそう!と自分で作った新しいドレスの裾を掴みサナは笑顔でやっと答えを口にした。
「リリア島はね、オシャレをしないと入れない島なのよ!」
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