第11章
暗い暗いそこは自分の存在を隠してくれる様で、結局自分は昔から何一つ変わっていないとマツリは赤くなった目を擦りながら思う。
きぃ、と扉が開く音がしてびくりとその身を縮こませる。
「………。」
倉庫に現れたのは、小柄な男。
不機嫌そうな顔でメソドが持つお盆の上に乗っているのは、ふんわりと湯気があがるおかゆ。
ずんずんこちらに近付いてくる彼に、マツリは逃げたり隠れたりする事が出来ずただ目を閉じて怯えていた。
目の前まで来られ、何を言われるのか、何をされるのか、顔を下に向いたままでいると。
「…ここ、置いておくぞ。」
ごとりと置かれたおかゆは、それまで夕飯の時間が過ぎ空腹であった事を忘れていたマツリに食欲を思い出させるような香りを放っている。
「別に説教をするつもりなんて無い、ただ…一つ言う事があるとすれば。」
そのままくるりと彼女から背を向けた。
「ここに布団は無い、寝るならオレの居る船医室に来るか、鍛錬室にあるマットの上にでも寝ておけ。」
当たらず、触らず、深追いせず、そのまま彼は倉庫を出ていく。
「…ミツメ。」
「おう。」
ずっと何も言わず静かにしていた第三の目に問う。
「ちょっとでも良いから…あたしを透明にしてくれない?」
「却下だ。」
普段であればミツメの力で体を透明にする力や、幻覚を任意の相手に見せる事が出来るのだが、マツリがその力を使うかどうかはミツメが決めていて、こうして駄目と言われると使用出来ない。
こうしてあっさりとメソドに居場所がばれたのも、それが原因だった。
「隠れる必要なんて無いだろ。」
自分がしでかした事くらい自分でどうにかしろ、という事なのだろう。
考える事は多くある、しかし今はどうしても頭が回らなかった。
きぃ、と扉が開く音がしてびくりとその身を縮こませる。
「………。」
倉庫に現れたのは、小柄な男。
不機嫌そうな顔でメソドが持つお盆の上に乗っているのは、ふんわりと湯気があがるおかゆ。
ずんずんこちらに近付いてくる彼に、マツリは逃げたり隠れたりする事が出来ずただ目を閉じて怯えていた。
目の前まで来られ、何を言われるのか、何をされるのか、顔を下に向いたままでいると。
「…ここ、置いておくぞ。」
ごとりと置かれたおかゆは、それまで夕飯の時間が過ぎ空腹であった事を忘れていたマツリに食欲を思い出させるような香りを放っている。
「別に説教をするつもりなんて無い、ただ…一つ言う事があるとすれば。」
そのままくるりと彼女から背を向けた。
「ここに布団は無い、寝るならオレの居る船医室に来るか、鍛錬室にあるマットの上にでも寝ておけ。」
当たらず、触らず、深追いせず、そのまま彼は倉庫を出ていく。
「…ミツメ。」
「おう。」
ずっと何も言わず静かにしていた第三の目に問う。
「ちょっとでも良いから…あたしを透明にしてくれない?」
「却下だ。」
普段であればミツメの力で体を透明にする力や、幻覚を任意の相手に見せる事が出来るのだが、マツリがその力を使うかどうかはミツメが決めていて、こうして駄目と言われると使用出来ない。
こうしてあっさりとメソドに居場所がばれたのも、それが原因だった。
「隠れる必要なんて無いだろ。」
自分がしでかした事くらい自分でどうにかしろ、という事なのだろう。
考える事は多くある、しかし今はどうしても頭が回らなかった。