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第11章

昔から彼女はそうだった。

嫌な事があった時、どうにもならない事があった時、理不尽な目にあった時。
自分が作ったお気に入りの絵達に、八つ当たりをした。

理由は今でも分からない、ただこの感情をどうにかしたくて、でも誰かにこの感情を向けたくはなくて。
必死に隠し通そうと押し込み続けた結果、歪な形で表に出てしまった。

黒。
どんな物も透かし通してしまうこの目でも、見えない色。

憧れであり、安心出来る救いの色。
そして。

マツリにとって、全てを消してくれる色だった。
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