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第11章

ぐわんぐわんと、空間が揺れる。
大波が来たのだと理解するのに、少し時間が必要な程だった。
「うっぷ…。」
船の壁に寄りかかり、マツリはずるずると床へしゃがみ込む。
「マツリ、だいじょうぶ?」
隣で歩いていたガーナが心配そうに聞くも、返事が出来ないとばかりに少女はふるふると頭を振る。
無理もない話だった。
この所島が無い海域を船は走っており、これまで時々地上を歩けていたものの、マツリはこれ程までに船の中にいた事が無く、慣れ始めていると思っていた船の生活にも支障を来している。
「ふなよいだね…ガーナもここに来たときはたいへんだったよ。」
すぐにメソドを呼んでくるね!とぱたぱた離れていく足音を聞きながらマツリは、せめて吐しゃ物を床に散らさないよう口を押さえるのに手一杯になっていた。
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