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第10章

昔、この島に強盗集団がやってきたことがあった。
彼らは女子供構わず色んな人物をターゲットにし、島は治安が悪くなり酷く深刻な状況となってしまう。
ある夜、その人物たちはどうしても外に出なければならない用事があり、周囲の反対を押し切って外出をしてしまった。
『嫁が…出産してしまう…医者を連れてこなければ…!』
予定の日より早く妻が産気づきもう限界という状況、電話など金持ちの道具で、一般庶民である彼はこうして動かなければ医者に助けを求める事も出来ない。
応援しに来た彼の友人達も危険だからと共に来てくれ、更には無事に医者を見つける事が出来て、そのままスムーズに妻の元へ帰れるはずだった。
『金、置いていけや。』
運悪く、帰るタイミングで強盗に見つかってしまう。
どうにか見逃してもらおうと頼むも、金を持っていないのであれば口封じで殺すと脅され、その凶刃が降り掛かろうとした、その時。

『おーおー、目立つ所に居てくれて助かるわ。』

多勢に無勢、例え一人来た所で状況は変わらないと思っていた、しかし突如現れたその男は出鱈目かと疑う程、バッタバタと悪漢共を薙ぎ倒してゆき全員動けない状態にしてしまった。
その後、仲間らしき3人の男性が現れ、そのまま体の傷の有無が無いか診られる。
『どうやら間一髪だったみてぇだな…何の用で外に出たかは知らんが、今すぐ家に戻った方が良いんじゃねーの?』
警官にはこっちが伝えておくからさ、と彼に言われ自分には時間が無かった事を思い出させてくれた。
『あの…ッ、ありがとうございます、せめてお名前を…。』
後日改めて礼がしたい、その気持ちで彼は聞く。

『そうだな…セームド海賊団、とだけ言っておく。』
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