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第10章

緊張感も何も無いその様子に軽く殺意を抱きながら、声のする方へ返事をする。
「…ご苦労様です、そして即刻船に帰って下さい今すぐ。」
「え、何その対応泣いちゃう。」
今はそんな冗談に付き合っている暇は無いと青筋を立てる様子のサナを見て、船長と共にやってきたメソドは察しすぐに戻ろうと無言で船長の着ているコートの裾を引く。
「お疲れでしょう、仮の船医として提案します…戻りましょう。」
「何急に??」
ぐいぐいとその背を押され強制的にその場を退場させられそうになるも、そこで待ったの声が掛かった。
「待って下さい!!」
リートのひと際大きな声が、去ろうとする彼の動きを止める。
「…何?」
「そのッ…貴方達は。」
今まで自身に満ち溢れていたようなその姿、それがぼろぼろと剥がれ中身が出てきたような弱弱しい声だった。
「貴方達は…本当の、セームド海賊団ですよね?」
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