すぐに足音の主達がそこへ息を切らして現れた。
「い…いた！」
マツリ達の様子を見て、安心したように一つ大きな息を吐いた後、リートは少し緊張しているような表情を取る。
「犯人は…捕まえて下さったんですね。」
「え、ええ…。」
先程とは違い、畏まった言葉遣いをする彼にサナは首を傾げ、リートの見ている視線の先を探ってみると、犯人以外にも彼が見ている人物がいた、それは似せないように前髪を下げていたノイの髪型がいつものようにオールバックとなっている事に気付き、サナは表情を固めてしまう。
「…サナさん？」
「サナ！？」
マツリが心配して声を掛けると、自警団の方から声が上がる。
「やっぱり…そっちの人も面影があると思ったら…！」
サタと呼ばれるサナのそっくりな人物が確信を得たとばかりに口を動かす。
「本物ですよ、リーダー！」
「い、一体何の事やら…。」
マツリは自分のやらかしてしまった事に対して顔を白くさせている、ノイは何の事だとばかりにこちらに視線を向けるばかり、当てになる人物が誰もいないこの状況で必死に頭を回してサナは解決の糸口を探していると。

「おーい、火消し終わったぞー。」

決定打がやってきてしまった。