第10章
どうにか人目を避けて路地裏の奥へと走りながら、放火魔はどうにか逃げ道を考える。
(クッソ!見つかった…しかも偽善者団体に顔見られた!)
これまでどうにか避けてくる事が出来たが、ここにきて決定的な証拠を掴まれた。
それでも、他人の犠牲を顧みず己のやりたい事をしてきた彼は、諦めるという選択肢は頭に無く。
(この島が駄目なら、別の島だ…どうにか渡ればこれ以上誰かに顔を見られる事もな―)
そこですぐそこに見えた角へと逃げ込もうとすると、何かにぶち当たった。
「!?…何だ、何に当たったんだ?」
目の前には確かに建物と建物の間に出来た隙間の道がある、しかしそこへ足を踏み入れようとすると、体が弾かれる。
(待てよ…そもそもここにこんな道があったか?)
夜に闇雲で走り続けた男の頭では、例え住み慣れた町の裏路地でも現在地がどこなのか分からなくなってしまった。
「チィ…とりあえず、別の道を…。」
彼は気付いていなかった。
そもそも通れない道が自分に見えている時点でおかしい、という事に。
頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け、男はその場に倒れた。
(クッソ!見つかった…しかも偽善者団体に顔見られた!)
これまでどうにか避けてくる事が出来たが、ここにきて決定的な証拠を掴まれた。
それでも、他人の犠牲を顧みず己のやりたい事をしてきた彼は、諦めるという選択肢は頭に無く。
(この島が駄目なら、別の島だ…どうにか渡ればこれ以上誰かに顔を見られる事もな―)
そこですぐそこに見えた角へと逃げ込もうとすると、何かにぶち当たった。
「!?…何だ、何に当たったんだ?」
目の前には確かに建物と建物の間に出来た隙間の道がある、しかしそこへ足を踏み入れようとすると、体が弾かれる。
(待てよ…そもそもここにこんな道があったか?)
夜に闇雲で走り続けた男の頭では、例え住み慣れた町の裏路地でも現在地がどこなのか分からなくなってしまった。
「チィ…とりあえず、別の道を…。」
彼は気付いていなかった。
そもそも通れない道が自分に見えている時点でおかしい、という事に。
頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け、男はその場に倒れた。