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第10章

一方、人を集めていたノイは、最後に例の自警団の元に来ていた。
「なるほど…確かにこれまで島の中ではあったが、船にまで…。」
リートは痛ましい表情をしてから、他の3人に告げる。
「これから現場に向かう、集まってくれた方々以外にも島民に注意喚起、また出来る限りの協力を伝えよう。」
「「「了解。」」」
リートの声で他のメンバーが即座に応え行動する様子に、ノイは内心舌を巻く。
(それなりに付き合ってなきゃこんなに動けねぇな…。)
ノイは火事場への現場までの案内係として、彼等についていく事となり先導する。
来た道を戻るだけなので、特に迷う事も無く早く移動していると、横から人が突然飛び出てきた。
「…ッ。」
どうにか衝突せず、そのままノイとその人物は離れてゆく。
そのはずだった。
「おい、お前。」
後ろへと去ろうとした人物の足が止まったのを確認し、ノイは向き直る。
「焦げ臭いぞ。」
端的、それでいて明確なその一言はその場の空気を一変させた。
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