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第10章

「そうか…君もこの島の為に協力してくれるんだね。」
全てではないが、事のあらましの説明を受け納得した様子の船長のそっくりさんであるリートはそう話すも表情はあまり明るく無い。
「ある程度の年齢とはいえ、流石に若い彼女に危険な事をさせるのは…大丈夫なんですか?」
後ろにいたので保護者だと思ったのであろうサナとノイに彼は話し掛け、それにすぐに応じたのはサナだった。
「ご心配頂きありがとうございます、この通り自分達もいますし安全性は問題ないかと…それに、彼女はわたし達の中でも目が良い子なので付いて来て貰ったくらいなのですよ。」
「確かに彼女が見つけたスリは逃げ足が速くて厄介な奴でしたが…。」
船長に似てはいるものの、慈善活動をしているだけあってか常識を持ち合わせている様子で「人手には困っているけれど、無理しないでね。」と離れていく。
「船長に似ている癖に、人間としては向こうの方が出来上がってんな。」
「…そうですね。」
話には聞いていたものの、やはり目の当たりにすると戸惑っている様でノイは彼の後ろ姿を目で追ってしまう。
「あんなのがまだいるのか…。」
「それでも、総じて常識人がほとんどでしたよ。」
先に下調べをしていたサナはそのまま口を開く。
「何もしなければ問題無いと思います…とりあえず、わたし達は仕事をしましょう。」
その言葉に、仲間二人は静かに頷いた。
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