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第10章

海賊とは名乗っていても、彼らの生計は他の海賊から強襲され略奪した金銭、宝探しをした際に出た高級品の売買が主で、それが底を尽きると他の方法で金儲けに繰り出す。
それは大道芸だったり、日雇いの仕事だったり、内容は辿り着いた島次第…そして今回はこれだった。
「放火魔退治にご協力下さい…か。」
夕方、サナに手渡されたチラシを手にマツリ、ノイ、サナはその紙に指定されている集合場所を探している。
「最近放火事件が連発しているんですって、協力するだけでもお金が出るからこれがいいかしらと思って。」
「ま、見つけて捕まえるだけならどうにかなるだろうな。」
夜目が割と効くメンバーで、あとの3人は船で待機となっていた。
探し物という事で、マツリは昼間した自身の失態を挽回しようと両の手に力を籠める。
「頑張ります!」
「おう。」
「無茶しない程度にね。」
彼女を見守る二人は、いつもとはまた違う様相となっていた。
ノイはオールバックの髪を解し前髪を作り、動きやすい半袖から薄い長袖、ダボっとしているズボンから体のラインに沿ったものへ。
サナは女装していた恰好からまた変え、髪を結ばずそのまま流し、いつも来ているコートは脱ぎ、シャツとハイウエストなタイプのズボンを着こなしていた。
「…落ち着かねぇ。」
「仕方ないわよ、気持ちは分かるけどね。」
これもそっくりな彼等に間違われない為だと言いながら、彼らはその場所へと無事到着する。
「あれ?君は…。」
「あ…。」
噂をすれば何とやら、直後にご本人がその場に現れた。
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