第10章
その頃、ガーナは何をしていたかというと。
「もしかしなくて迷子なんだよ!マツリが!!」
警官を探している内に、背の低い彼女は人の流れに負けあれよあれよという間に自分のいる場所がどこなのか分からなくなってしまった。
迷子その2である彼女はどうにか通りの端に寄り、その場を凌いでいるがいつまで待っても警官もマツリも見えてこない。
「も~またこういう時にかぎってリンリン草持っていないし!」
乱用は禁じてはいるものの、こうした時には便利さ故にどうしても欲しくなる。
「…先にふねにかえった方がいいかな。」
貴重品は持っていないものの先程のマツリの様に誰かに迷惑行為を受けるかもしれない、前の様に誰かに誘拐されてしまうかもしれない、知らない土地で突然一人になってしまい良くない方へ思考が回り始めてしまう。
「うぅ…どうしよう。」
どうにか泣くものかと、両目をぎゅうと閉じていると。
「おじょーさん、どうしたの?」
声を掛けられびくりと肩が揺れる、見上げると2人の大人が自分の目の前に立っていた。
「…迷子?」
「ま、まよってないもん!」
つい強がってしまうが、結果的には迷っているようなものである。
「ごめんごめん、じゃあ…質問を変えようか、一人でここまで来たの?」
ゆっくりと、優しく話し掛けるその様子から、少なくとも悪人では無いように思え、今度は正直に話す。
「…2人できたけど、1人がかってに離れちゃって。」
そうなんだ、と彼らは頷くとガーナに手を差し伸べる。
「俺達と探そうか…今時間あるから、その離れてしまった子が見つかるまで一緒にいるよ。」
「うん。」
その申し出に驚いたものの、ガーナは助けを求める先がいなかったので言われるがまま手を反射的に掴む。
「あり、がと…。」
「うん。」
そのまま背が高い方の男性に肩車をしてもらい、高い視界からマツリを捜索し始めた。
しかし、ガーナは彼等に対しどうしても気になる事が一つあった。
背の高いがたいが良い男と長髪で優しい笑みを持つ男に、ガーナはつい聞いてしまう。
「…おにーさんたち、誰かに似てるっていわれたことない?」
少女の言葉に彼らはきょとんとした表情で「特に無いよ?」と言われ、質問の主は何とも言えない表情で「そう…。」と返した。
「もしかしなくて迷子なんだよ!マツリが!!」
警官を探している内に、背の低い彼女は人の流れに負けあれよあれよという間に自分のいる場所がどこなのか分からなくなってしまった。
迷子その2である彼女はどうにか通りの端に寄り、その場を凌いでいるがいつまで待っても警官もマツリも見えてこない。
「も~またこういう時にかぎってリンリン草持っていないし!」
乱用は禁じてはいるものの、こうした時には便利さ故にどうしても欲しくなる。
「…先にふねにかえった方がいいかな。」
貴重品は持っていないものの先程のマツリの様に誰かに迷惑行為を受けるかもしれない、前の様に誰かに誘拐されてしまうかもしれない、知らない土地で突然一人になってしまい良くない方へ思考が回り始めてしまう。
「うぅ…どうしよう。」
どうにか泣くものかと、両目をぎゅうと閉じていると。
「おじょーさん、どうしたの?」
声を掛けられびくりと肩が揺れる、見上げると2人の大人が自分の目の前に立っていた。
「…迷子?」
「ま、まよってないもん!」
つい強がってしまうが、結果的には迷っているようなものである。
「ごめんごめん、じゃあ…質問を変えようか、一人でここまで来たの?」
ゆっくりと、優しく話し掛けるその様子から、少なくとも悪人では無いように思え、今度は正直に話す。
「…2人できたけど、1人がかってに離れちゃって。」
そうなんだ、と彼らは頷くとガーナに手を差し伸べる。
「俺達と探そうか…今時間あるから、その離れてしまった子が見つかるまで一緒にいるよ。」
「うん。」
その申し出に驚いたものの、ガーナは助けを求める先がいなかったので言われるがまま手を反射的に掴む。
「あり、がと…。」
「うん。」
そのまま背が高い方の男性に肩車をしてもらい、高い視界からマツリを捜索し始めた。
しかし、ガーナは彼等に対しどうしても気になる事が一つあった。
背の高いがたいが良い男と長髪で優しい笑みを持つ男に、ガーナはつい聞いてしまう。
「…おにーさんたち、誰かに似てるっていわれたことない?」
少女の言葉に彼らはきょとんとした表情で「特に無いよ?」と言われ、質問の主は何とも言えない表情で「そう…。」と返した。