第9章
時は進み深夜、トントンとノックの音が響く。
いいぞと船長が許可を出すと、頭を下げて彼がその扉を開けた。
「失礼します、船長報告書です。」
「ご苦労さん。」
持ってきた数枚の紙には、びっちりと今回メソドが調べ上げた病原体の事について書かれている。
「今回付き合って頂きありがとうございました。」
「良い毒出来そう?」
「それは結果次第ですが。」
未知の病原体や植物など調べ上げ、薬や毒を作る…それもメソドにとって仕事の一つだった。
「相変わらずしっかり記述してくれるね~ありがたいわ。」
にやにやしながら褒めるも、メソドの表情に変化は見られない。
それで、と船長は正面を向いて聞く。
「分かった?…俺を殺す方法は。」
一つ間を置いてから、言葉は返ってくる。
「それを言ってしまったら、お楽しみとやらが無くなるでしょう。」
「ありゃりゃ、手厳しい~。」
一貫してふざけた言動を崩さず、彼は舌を出してきた。
「でも…朝飯に昨日採取した池の水入れたでしょ?」
「少量ですが。」
「もーどうしてくれんのさ、味覚おかしくなったまんまなんだけどー。」
わざとらしく頬を膨らませる年上の男に、平然と「そんなに困ってないでしょう。」と突き放す。
「―ま、とにかくそのたゆまぬ努力…忘れずにね。」
その声に返事は無く、ただバタンと扉が閉まる音だけが返ってきた。
いいぞと船長が許可を出すと、頭を下げて彼がその扉を開けた。
「失礼します、船長報告書です。」
「ご苦労さん。」
持ってきた数枚の紙には、びっちりと今回メソドが調べ上げた病原体の事について書かれている。
「今回付き合って頂きありがとうございました。」
「良い毒出来そう?」
「それは結果次第ですが。」
未知の病原体や植物など調べ上げ、薬や毒を作る…それもメソドにとって仕事の一つだった。
「相変わらずしっかり記述してくれるね~ありがたいわ。」
にやにやしながら褒めるも、メソドの表情に変化は見られない。
それで、と船長は正面を向いて聞く。
「分かった?…俺を殺す方法は。」
一つ間を置いてから、言葉は返ってくる。
「それを言ってしまったら、お楽しみとやらが無くなるでしょう。」
「ありゃりゃ、手厳しい~。」
一貫してふざけた言動を崩さず、彼は舌を出してきた。
「でも…朝飯に昨日採取した池の水入れたでしょ?」
「少量ですが。」
「もーどうしてくれんのさ、味覚おかしくなったまんまなんだけどー。」
わざとらしく頬を膨らませる年上の男に、平然と「そんなに困ってないでしょう。」と突き放す。
「―ま、とにかくそのたゆまぬ努力…忘れずにね。」
その声に返事は無く、ただバタンと扉が閉まる音だけが返ってきた。