第9章
翌日、長居するのは良くないと早々にジジ島を出た海賊達の朝食には、昨日購入した食材を調理したものが並べられていた。
「しっかり熱を通したから、安心しろよ。」
茹でられ暖かくなった温野菜サラダ、タレをじっくりと漬け込み焼いた魚、焼き立てのパン…久し振りの多種多様な食事に我先にとカトラリーを手に取り食べ始める中、一名動きが遅い者がいる。
「…どうしたのマツリ、おりょうり冷めちゃうよ?」
あんまりにも日頃と違うので隣に座っているガーナが声を掛けるも、青い顔のまま「だいじょうぶ…。」と返すだけだったので、説明を求めるようにその額にいる目玉に視線を投げた。
「うーん、聞いちゃう?」
ガーナ以外にも聞きたいと思っていたのか、他の海賊たちも頷いたのを確認しミツメは話し始める。
「その…な、昨日から新しくやる事が増えて…今コイツの頭の中パンパンなの。」
「やる事?」
サナが聞き返すとマツリでは無く、全く別の人物から答えの言葉が放たれた。
「怪我の手当を学ばせてる。」
朝食を食べながらぼそりと出された言葉に、聞いていた一同は目が点となる。
「あ?お前そんな事やり始めたのか??」
意外そうに言うノイにメソドは「タダじゃ無い。」と返す。
「覚えた手当の数だけ、槍の使い方を教える事になってる。」
「…あらまぁ。」
メソドの容赦無い教育方法を知っているサナは、思わず憐憫の目でマツリを見てしまう。
「そっちが先に言ったんだ、苦情を言われる筋合いは無い…引き返すなら今のう」
「やります。」
「声ひくいよ。」
間髪入れずに発したものの、黒い感情が隠し切れないのか声に変化が如実に出ている事を幼女にも指摘される程の有様。
「だったら、精々努力する事だな。」
早々に食べ終わったメソドは食器を片付け恨みがましい視線を背に受けながら、食堂を去って行った。
その後、見張りの為に後から食事に来た船長は皿洗いをしているノイに話し掛ける。
「な~ノイ。」
「なんすか。」
「これ、酸っぱい味付けにした?」
差し出された野菜を見て料理人は怪訝な表情をする。
「…下げるか。」
「いや、腐っている訳じゃねーと思う。」
気にしなくていいと告げ、彼は食事を再開することにした。
「しっかり熱を通したから、安心しろよ。」
茹でられ暖かくなった温野菜サラダ、タレをじっくりと漬け込み焼いた魚、焼き立てのパン…久し振りの多種多様な食事に我先にとカトラリーを手に取り食べ始める中、一名動きが遅い者がいる。
「…どうしたのマツリ、おりょうり冷めちゃうよ?」
あんまりにも日頃と違うので隣に座っているガーナが声を掛けるも、青い顔のまま「だいじょうぶ…。」と返すだけだったので、説明を求めるようにその額にいる目玉に視線を投げた。
「うーん、聞いちゃう?」
ガーナ以外にも聞きたいと思っていたのか、他の海賊たちも頷いたのを確認しミツメは話し始める。
「その…な、昨日から新しくやる事が増えて…今コイツの頭の中パンパンなの。」
「やる事?」
サナが聞き返すとマツリでは無く、全く別の人物から答えの言葉が放たれた。
「怪我の手当を学ばせてる。」
朝食を食べながらぼそりと出された言葉に、聞いていた一同は目が点となる。
「あ?お前そんな事やり始めたのか??」
意外そうに言うノイにメソドは「タダじゃ無い。」と返す。
「覚えた手当の数だけ、槍の使い方を教える事になってる。」
「…あらまぁ。」
メソドの容赦無い教育方法を知っているサナは、思わず憐憫の目でマツリを見てしまう。
「そっちが先に言ったんだ、苦情を言われる筋合いは無い…引き返すなら今のう」
「やります。」
「声ひくいよ。」
間髪入れずに発したものの、黒い感情が隠し切れないのか声に変化が如実に出ている事を幼女にも指摘される程の有様。
「だったら、精々努力する事だな。」
早々に食べ終わったメソドは食器を片付け恨みがましい視線を背に受けながら、食堂を去って行った。
その後、見張りの為に後から食事に来た船長は皿洗いをしているノイに話し掛ける。
「な~ノイ。」
「なんすか。」
「これ、酸っぱい味付けにした?」
差し出された野菜を見て料理人は怪訝な表情をする。
「…下げるか。」
「いや、腐っている訳じゃねーと思う。」
気にしなくていいと告げ、彼は食事を再開することにした。