第1章(後編)
あくまでマツリが何を自分達に求めているかを的確に突いて話すサナ。
しかし、マツリが返答をする前に別の人物が間に入ってきた。
「そんなことよりさ~。」
場の空気を読まないのんびりした口調がまたマツリの耳を打つ。
「君、あの術どこで学んだの?」
「・・・へ?」
話しがあらぬ方向へ行ってしまい、思わずマツリは間抜けな声を出してしまった。
「この島・・・ナンチー島の歴史から考えて魔術的な記録なんてなかったと思うんだけどさ。」
「・・・はぁ。」
「霧のあの幻影も良く出来てたよね、この二人の注意から逃れて船の中に入るとか結構できないことだと思うし・・・」
その後もなんか良く分からない賛辞と専門用語なのか呪文のような言葉を言ってきて、マツリは敵と思ってはいるが、サナとノイに助けを求める視線を送った。
視線の先の二人は苦い表情をしていて、二人でどうするか視線で会話したようで、ノイが口を開いた。
「おら、ちょっと黙っといてくれ。」
「え~だって知りたい・・・。」
「今はそれどころじゃ――――」
そこで唐突に部屋の扉がメソドによって開いた。
「・・・なんか小舟に囲まれているんだけど。」
