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第9章

買い物で出掛けた商店街を抜け、住宅地も抜けた辺りまで歩くと木々が生い茂った林が現れた。
「中に入っていくぞ。」
「え…ここですか?」
道も何も無く、本当にここに入っていくのかとマツリはつい聞き返してしまう。
しかし、メソドはここだと迷い無く歩き始めたので、少女は彼に付いていく。
手入れがされていない道なので、草も行く手を阻むし時折苦手な虫が現れて声が出てしまう事もあったがそれでも歩みを止めないメソドの後を涙目になりながらも追う。
「うぅ…少し噛まれたかも。」
痒みを感じると思って自分の足を見たら、ヌルヌルした何かが複数張り付いている。
「~~~~~ッ!?」
どうすればいいのか分からず、とりあえず出来るだけぱっぱと払うも、血を吸われたのか赤く染まった小さな傷口が出来ていた。
「め…メソドさん、差出がましいお願いで大変申し訳無いのですが…絆創膏、ありますか?」
消え入りそうな小さな声で訴えられ、メソドは止まる。
「ヒルに噛まれたな?」
「ヒル?…かどうかは分かりませんが、はい…。」
まだ先は長いだろうから一度手当がてら休む、と提案してくれてたメソドの好意に甘えることにした。
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