第9章
言葉通りに一度船に戻り、メソドはノイに買った物を渡す。
「念の為熱を通しておいてくれ…間違っても生で出すなよ。」
「おう。」
そのまま船着き場で待っていたマツリの元へ戻ってきた彼は、そのまま先程の言葉通りに調査を始めると告げた。
マツリが透視したバッグの中身は、試験管やスポイト、消毒液の小瓶といった実験でもするかのような道具が揃っていたので納得がいったと頷く、しかし。
「何故わざわざ調べるんですか?…島の方々から報酬を受け取るのであれば分かりますが、これはメソドさんがご自分で取り組まれるのですよね?」
「調べる事は自分の為にもなる。」
ぽつりと、彼は言葉を落とす。
「一つの事例を知る事は他の事にも応用が効く…例えば、さっきの俺の言葉も同じ。」
どの言葉の事だろうかとマツリは思い返すと、そういえば先程コインを消毒した事や、あまり人と話すなと助言を貰った事と繋がった。
「全部が同じ対応で正しいかは分からない、だが…病があった事に関して発生原因から調べるのは、自分の為でもあるし、周りに被害を広げない為でもある。」
船なんて特に気を付けていなければ不衛生になりがちだから、と説明はここまでとばかりに歩き出すその背をマツリは慌てて追う。
(あたしが思っている以上に、この人は…考えも、知識も深い人なんだなぁ。)
しかし、あの事について思うとマツリは解せないと表情を曇らせる。
(何で…あんな事をあたしに言ったんだろう。)
いまだに解けない謎は、もやもやと彼女の心に覆い被さったまま時間だけが経過していった。
「念の為熱を通しておいてくれ…間違っても生で出すなよ。」
「おう。」
そのまま船着き場で待っていたマツリの元へ戻ってきた彼は、そのまま先程の言葉通りに調査を始めると告げた。
マツリが透視したバッグの中身は、試験管やスポイト、消毒液の小瓶といった実験でもするかのような道具が揃っていたので納得がいったと頷く、しかし。
「何故わざわざ調べるんですか?…島の方々から報酬を受け取るのであれば分かりますが、これはメソドさんがご自分で取り組まれるのですよね?」
「調べる事は自分の為にもなる。」
ぽつりと、彼は言葉を落とす。
「一つの事例を知る事は他の事にも応用が効く…例えば、さっきの俺の言葉も同じ。」
どの言葉の事だろうかとマツリは思い返すと、そういえば先程コインを消毒した事や、あまり人と話すなと助言を貰った事と繋がった。
「全部が同じ対応で正しいかは分からない、だが…病があった事に関して発生原因から調べるのは、自分の為でもあるし、周りに被害を広げない為でもある。」
船なんて特に気を付けていなければ不衛生になりがちだから、と説明はここまでとばかりに歩き出すその背をマツリは慌てて追う。
(あたしが思っている以上に、この人は…考えも、知識も深い人なんだなぁ。)
しかし、あの事について思うとマツリは解せないと表情を曇らせる。
(何で…あんな事をあたしに言ったんだろう。)
いまだに解けない謎は、もやもやと彼女の心に覆い被さったまま時間だけが経過していった。