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第9章

船から出て行く二人を窓からそっと見守る人物がいた。
「…何してんだ。」
頼まれた間食用のクッキーが出来たぞと声を掛けられ満面の笑みで「ありがとー!」と受け取る。
「観察♡」
おちゃらけてウインクをノイに贈るも、相手は顔を厳しくさせるだけで効果は見られない。
「あんま考え過ぎるとハゲ」
「何か言った??」
笑顔のまま言われ「何でも無い。」と素直に返す料理人は、サナが見ていた窓の景色を眺めた。
「アイツ、付いていったのか。」
「メソドちゃんが一緒なら問題無いと思うけれどね。」
元々怪盗をしていた事や前にこっそりサナの後を追いかけた事もあり、そういう行動力の高さから行動を起こすだろうとは予測はしていたものの、サナは意外だったと話す。
「マツリちゃんから話しかけてどうこうなるようだったら、仲裁に入ろうと思ったのだけれど…。」
「どうすんだ、入ろうにも二人きりじゃねーか。」
「ガーナちゃんに聞いたら、念の為リンリン草は二人とも持っているって話してくれたわ…それに、ミツメちゃんもいるし。」
一人では無い、万が一の為のこちらに連絡を取れる手段を持っている、しかしノイの顔は少し陰っている。
「今更何で口を出すんだろーな。」
「仕方無いわよ、メソドちゃんは…汚れまくっている癖して変な所に線を引いているんだから。」
無法地帯の船長よりはマシかもしれないけどね!とカラカラ笑い、最後に小さく零す。

「尤も、メソドちゃんの考えをどこまでマツリちゃんが理解出来るか…それに懸かっているけどね。」
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