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第9章

「次の島には降りない?」
翌日、海賊全員が集まっている朝食中に船長から放たれた言葉をマツリはそのまま聞き返す。
「ああ、危ないらしいからな。」
どういう事だろうか、と首を捻っていると隣に座っているサナがすいっとある新聞紙を出してくれた。
「航海している周囲の島の様子を知らない船乗りの為に専用の新聞売りがいるんだけど、この新聞の記事に次の島である感染症が流行っているらしいって書いてあったの。」
指差された箇所をじっと見ると、確かに感染症が流行っていて症状に苦しんでいる人々が多く居る事が事細かく記載されている。
「…でも、確か結構色んな資源がカツカツってこの前お話があったような。」
「うん、それが問題なんだよね~。」
長い航海をしていると、食料や水、薬に木材など必要な物資がどうしても減ってくるもので、彼等は島に寄りながら資源を調達して冒険を続けているのだが。
物資がカツカツの中、何も得られずそのまま航海を続けるのは厳しい判断と言える。
「だから、暫く質素な食事とお風呂をお願いする事になると思う。」
問題無く航海する事が出来れば、無人島ではあるが別の島があると船長は説明する中、新聞の記事をじっと見つめる瞳があった。
「船長、発言しても?」
「どうぞ。」
ゆるりと許可を受け、メソドが口を開く。
「記事に書いてある事が正しければ…様子次第で問題無いかと思います。」
思ってもみない言葉を出すメソドに注目が集まった。
「お~さっすがメソドきゅん、この病気知ってんの?」
「俺の予想が正しければ…ですが。」
なので、と彼は言葉を続ける。
「買い物とかは用事は全部引き受けるので、俺だけこの島に降ろしてくれませんか?。」
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