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第9章

服の作り方について書かれた本と、メジャー、紐、糸、針…といった必要な物が机にも床にも並べられた空間で、二人は作業に取り掛かっていた。
「マツリちゃん手先が器用ね~。」
「サナさんも…とても手の動きが速くて凄いです!」
元より絵や工作が趣味だったマツリは手先が器用なのと、ある程度の服の繕い方は知っていたので、そこからサナから教えられた事を出来る限り実践している。
しかしながら、サナの制作スピードは速くどうしてもそこまでは追いつけず少し渋い顔をしてしまう。
「あまり根を詰めると返って失敗しやすくなるわ、一度休憩しましょうか。」
彼女の様子に気付いたサナは、やんわりと休憩を提案し手を止める。
「うーん、もう少し…。」
「大丈夫よ、明日すぐに雪が降るなんて事は無いんだから…焦らないで。」
好きな作業と言う事もありのめり込んでいる様子のマツリに、サナはえーいと眉間を指で突く。
「あっ…。」
「ノイちゃんみたいな険しい顔よ、一度お水を飲みましょーね!」
それはまずいと思ったのか、そこでやっとマツリは手を止め勧められるままコップに注がれた水を飲む事にした。
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