第9章
「それでそんなにしょげてんのか。」
メソドがあの言葉を残し去った後、入れ替わる様に現れたノイはマツリの落ち込みように何があったと説明を求めると、傷付いたばかりのマツリの口から辿々しくも今あった事を話された彼は納得して頷く。
「…はい。」
「アイツは極端だからな。」
極端と言うのはどういう事だろうと眉を下げたままマツリは床へばかり向けていたその顔をノイへと見せる。
「マルかバツ、はいといいえ、白か黒―どっちつかずを許さない、所謂オカタイ人間って事だな。」
「海賊なのに…?」
「海賊でも色んな人種がいるぞ。」
そういうものなのだろうか、とマツリは頭を巡らせてみると、そもそもこの船にいる海賊達も自分も含めて型にはまらない人が多かったと思い直す。
「ノイさんは…これまで戦ってきた相手を殺してしまった事はありますか?」
マツリから恐る恐る切り出された言葉に、ノイは少し腕を組み自身の記憶を辿った後口を開いた。
「ある。」
明確な答えにびくりと少女が肩を揺らすも「ただな。」と言葉が続く。
「俺は殺そうと思ってケンカしてる訳じゃねーぞ。」
その言葉にマツリの体を縛っていた緊張が解れ、力が抜けていくのを感じながらマツリは安堵の声を零す。
「そう…ですか。」
「おう、それに、相手が生きてねーとまたケンカできねぇしな。」
なるほど戦うのが好きな彼らしい答えだと、マツリは苦笑する。
「でも、何で殺しちゃったんですか?…打ち所が悪かったとか?」
「それもあるが…飯を食っていなくて食いモン目当てで俺らを襲ったものの、ヘロヘロで勝てる訳ねぇから怪我と栄養失調でそのまま亡くなった奴とかもいたな。」
なるほどなぁと聞いていたところで、マツリは意を固めてノイに質問した。
「ノイさんは相手を殺せないあたしが戦う事は…良くない事だと思いますか?」
メソドがあの言葉を残し去った後、入れ替わる様に現れたノイはマツリの落ち込みように何があったと説明を求めると、傷付いたばかりのマツリの口から辿々しくも今あった事を話された彼は納得して頷く。
「…はい。」
「アイツは極端だからな。」
極端と言うのはどういう事だろうと眉を下げたままマツリは床へばかり向けていたその顔をノイへと見せる。
「マルかバツ、はいといいえ、白か黒―どっちつかずを許さない、所謂オカタイ人間って事だな。」
「海賊なのに…?」
「海賊でも色んな人種がいるぞ。」
そういうものなのだろうか、とマツリは頭を巡らせてみると、そもそもこの船にいる海賊達も自分も含めて型にはまらない人が多かったと思い直す。
「ノイさんは…これまで戦ってきた相手を殺してしまった事はありますか?」
マツリから恐る恐る切り出された言葉に、ノイは少し腕を組み自身の記憶を辿った後口を開いた。
「ある。」
明確な答えにびくりと少女が肩を揺らすも「ただな。」と言葉が続く。
「俺は殺そうと思ってケンカしてる訳じゃねーぞ。」
その言葉にマツリの体を縛っていた緊張が解れ、力が抜けていくのを感じながらマツリは安堵の声を零す。
「そう…ですか。」
「おう、それに、相手が生きてねーとまたケンカできねぇしな。」
なるほど戦うのが好きな彼らしい答えだと、マツリは苦笑する。
「でも、何で殺しちゃったんですか?…打ち所が悪かったとか?」
「それもあるが…飯を食っていなくて食いモン目当てで俺らを襲ったものの、ヘロヘロで勝てる訳ねぇから怪我と栄養失調でそのまま亡くなった奴とかもいたな。」
なるほどなぁと聞いていたところで、マツリは意を固めてノイに質問した。
「ノイさんは相手を殺せないあたしが戦う事は…良くない事だと思いますか?」