第9章
メソドからの唐突な申し出に戸惑いはしたものの、やる事はいつもの鍛錬の様子を見せるだけでいいと言われた為、そのままやろうと思っていた事をマツリは実行した。
準備体操はしたので、次は足の動きを確認する。
何故先に槍を手にしないかといえば、準備体操をしたと言えど、武器を持ち扱う事となる体を解していなければ、逆に武器が重荷になるだけと学んだ為だ。
怪盗として自身の幻覚を見せる能力に奢る事無く、万が一逃げる為足の速さをある程度鍛えていたマツリだが、海賊に入ってからは逃げるだけではなく立ち向かう為の肉体作りをしなければならないと、常々感じている。
敵が目の前にいると想定して、素早くステップを踏む。
(いいですよとは言ったけど…やっぱり、何か緊張するなぁ。)
正面よりは緊張しないだろうと思ったのか、メソドはマツリの背後でじっと様子を見ていた。
主に自分を師事してくれるノイや他のメンバーだったら、恐らくこんなに緊張はしないのだろうが、普段あまり接してこない彼が言い出してきたので、驚きが体に出てしまっているのかマツリの動きも何となくぎこちないものとなっている。
すると。
「あわっ。」
考えを巡らせていると、止まると思っていた足が滑り床に転けてしまう。
特に痛くも無かったのだが人前でそうなったのは流石に恥ずかしく、無言で足首にひねりが無いか自分で確認していると後ろから声が掛かる。
「問題無いか。」
「あっはい!」
返事をすると次に助言が返ってきた。
「気になるなら、タオル濡らしてくる。」
「ありがとうございます…でも大丈夫です。」
改めてお礼を伝えると「そう。」と言われた。
準備体操はしたので、次は足の動きを確認する。
何故先に槍を手にしないかといえば、準備体操をしたと言えど、武器を持ち扱う事となる体を解していなければ、逆に武器が重荷になるだけと学んだ為だ。
怪盗として自身の幻覚を見せる能力に奢る事無く、万が一逃げる為足の速さをある程度鍛えていたマツリだが、海賊に入ってからは逃げるだけではなく立ち向かう為の肉体作りをしなければならないと、常々感じている。
敵が目の前にいると想定して、素早くステップを踏む。
(いいですよとは言ったけど…やっぱり、何か緊張するなぁ。)
正面よりは緊張しないだろうと思ったのか、メソドはマツリの背後でじっと様子を見ていた。
主に自分を師事してくれるノイや他のメンバーだったら、恐らくこんなに緊張はしないのだろうが、普段あまり接してこない彼が言い出してきたので、驚きが体に出てしまっているのかマツリの動きも何となくぎこちないものとなっている。
すると。
「あわっ。」
考えを巡らせていると、止まると思っていた足が滑り床に転けてしまう。
特に痛くも無かったのだが人前でそうなったのは流石に恥ずかしく、無言で足首にひねりが無いか自分で確認していると後ろから声が掛かる。
「問題無いか。」
「あっはい!」
返事をすると次に助言が返ってきた。
「気になるなら、タオル濡らしてくる。」
「ありがとうございます…でも大丈夫です。」
改めてお礼を伝えると「そう。」と言われた。