第9章
きぃ…と扉の開く音が部屋に響く。
マツリはぱたりとそれを閉めると、次に窓を開けた。
「換気はしっかり…と。」
メソドに以前言われた事を忘れず鍛錬室に空気を入れると、涼しい空気がマツリの体を包む。
「んんっ…ナンチー島より寒い。」
彼女の故郷ナンチー島は常夏に近い気候で、決して大きくない小さな孤島なのだが、住むには問題無い田舎の島で、気候変動には縁が無い所だった。
故に彼女は、冬を体験した事が無く、最近涼しくなったこの海域に体を慣らしている途中である。
「サナさんに長袖の服、一緒に作らせて欲しいってお願いしようかな…裁縫にも興味あるし。」
服装にも気を付けねばならない、しかし彼女はまず自身の体温を上げようと体を動かし始めた。
「…本当は、ノイさんに稽古つけて貰おうと思ったんだけどなぁ。」
何故いつもなら付き合ってくれるノイがいないのか、それは先日起きた事件がきっかけだった。
事の詳細は省くが、ノイは避けられたのにも関わらず、自分から事件に首を突っ込んでしまい、更には購入した物まで紛失してしまった為、サナに罰として反省文提出と宿題倍増を課せられている。
反省文はどうにか納得させる物が出来たが、宿題は主に計算問題集で数字の羅列にだいぶ参っていた。
本当はノイもこちらに行きたいと言われていたが、サナに「まだ終わっていないでしょう?」と笑顔で詰め寄られ終わるまで開放されないようで仕方なくマツリは自主トレーニングをすることとなった。
マツリはぱたりとそれを閉めると、次に窓を開けた。
「換気はしっかり…と。」
メソドに以前言われた事を忘れず鍛錬室に空気を入れると、涼しい空気がマツリの体を包む。
「んんっ…ナンチー島より寒い。」
彼女の故郷ナンチー島は常夏に近い気候で、決して大きくない小さな孤島なのだが、住むには問題無い田舎の島で、気候変動には縁が無い所だった。
故に彼女は、冬を体験した事が無く、最近涼しくなったこの海域に体を慣らしている途中である。
「サナさんに長袖の服、一緒に作らせて欲しいってお願いしようかな…裁縫にも興味あるし。」
服装にも気を付けねばならない、しかし彼女はまず自身の体温を上げようと体を動かし始めた。
「…本当は、ノイさんに稽古つけて貰おうと思ったんだけどなぁ。」
何故いつもなら付き合ってくれるノイがいないのか、それは先日起きた事件がきっかけだった。
事の詳細は省くが、ノイは避けられたのにも関わらず、自分から事件に首を突っ込んでしまい、更には購入した物まで紛失してしまった為、サナに罰として反省文提出と宿題倍増を課せられている。
反省文はどうにか納得させる物が出来たが、宿題は主に計算問題集で数字の羅列にだいぶ参っていた。
本当はノイもこちらに行きたいと言われていたが、サナに「まだ終わっていないでしょう?」と笑顔で詰め寄られ終わるまで開放されないようで仕方なくマツリは自主トレーニングをすることとなった。