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第8章

先程、彼等から事の発端を聞いていた。
そもそも、何故母親とはぐれてしまったのだと。
「…それは、コイツが遊びに行こうって外に出ちゃって。」
恨みがましく弟を兄が見やるが、弟は「違うよ。」と言う。
「だって、僕達いつもこうしろってお願いされているんだよ。」
すぐに兄が弟の口を塞ぐが、それでも放ってしまった言葉はノイの耳に届いてしまった。
「そうか。」
「え?」
「じゃ、いつもみたいに俺を案内してくれ、それを頼まれているんだろ。」
そのまま変わらず案内された方へ歩こうとするノイに兄の方が「待って!」と声を掛ける。
「おじちゃん…怒らないの?」
「何で怒る必要がある。」
ふんと鼻を鳴らし、当たり前だというように口を動かす。
「お前らはそれが仕事、引っ掛かったのは俺だ…なら、最後まで付いていくさ。」
けどな、と彼は不敵に笑う。
「目的地に着いたその後…俺がどうするのかは、口を出すなよ。」
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