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第8章

咄嗟に隠れた路地裏で迷子の子ども達に出会ったノイは、ひとまず話しやすいように背を屈めた。
「親とはぐれちまったのか?」
思った事をそのまま聞くと、彼らはこくりと頷く。
見た所この島において一般家庭に住んでいる様な服装で汚れてはいない、頬も痩けておらず体力はまだあるようだが、弟らしき子どもは疲れている様子を見せている。
「…警官には会いに行ったのか?」
「警官?」
「お巡りさんって奴。」
別の名前を出しても知らない様子でふるふると首を振る彼に、ノイは眉を顰めた。
(この島は警官がいなくても治安が良い所か?船長が決めて停泊する島は大体問題ねえ島が多いが…。)
ノイが考えを巡らせていると弟が兄の体を更に強く抱きつけたので、我に返る。
「…っと、わりぃな。とりあえず…俺の居る船に寄ってくか?」
頼りになる大人がいるからよ、とノイは彼等を船まで招く事にした。
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