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第8章

「ねぇ、おじさん。」

幼い声がする。
周りには自分の他に人はおらず、子どもにとって自分がおじさんと呼べる歳に見える事が嫌でも分かりつい顔を顰めてしまう。
(俺は…まだ20代なんだが。)
それでも他人とはいえ、悪気の無い子どもを無下にする事も出来ず、くるりと声の方を向く。

そこにいたのは、二人の子ども。
兄弟らしく、小さな方が大きい子どもに抱きつき離れない様子だった。

「………僕達のお母さん、知らない?」
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