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第7章

物々しく複数人の足音が行き来する。
いつもは両の手の指で収まる人数しかいない海賊船に、手と足の指を入れても足りない程の人が入ってきた。
「申し訳ないが、緊急事態だ。」
端的に説明を受けた様子から彼等も余裕が無い事を察した船長は、断る訳にもいかず「どうぞ~。」と中を案内する。
船の甲板から船内に入り、食堂、居室、倉庫の順で各部屋に人が入り隅々まで調べ上げられてゆく。
「…大丈夫ですか?」
マツリ達との連絡を終えたサナが船長へ話しかける。
「ま、どうにかなるでしょ…入島する前に違法物のチェックはしたし。」
「全く…船員の話はどうにかして下さいね、今ガーナちゃん起こしましたから。」
うわさをすれば、とてとてと小さな足音が彼等の近くに寄ってきた。
「………ん。」
眠そうに瞼を擦りながら警官に連れられてやってきた彼女は、船長達を見つけると恨めしそうな表情へと変える。
「すんません、案内して頂いて。」
「いいえ、こちらこそ夜分遅くにすみません。」
では、と警官は足早に去って行く。
「…ねむい。」
「ですよね。」
だっこしましょうか?とサナが問うと、いつもなら「いい!」と子ども扱いを嫌うのだがその余裕も無いようで。
「ぅん…。」
「はい、失礼します…よっと。」
彼の腕に身を預け、そのまま目を閉じようとしたガーナではあったが。
「あ、すまん…ガーナ、仕事だ。」
その声に呼ばれ、ぱちりと彼女は目覚めた。
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